19
彼は一か八か、自分の部屋の隣の部屋のノブを回した。
ガチャン!
幸運な事に鍵はかかっておらず、すぐに中に入って身を隠す事に成功。
「キャァ!チョリどこぉ?」
その後すぐにボビエとビッキーが廊下を忙しなく走っていく音がドア越しに聞こえた。
ドタドタッ!
「ちょっと押さないでよ!」
「押してるのはアンタでしょぉ!!」
・
・
・
よし。もう足音と大声は聞こえない。
「はぁ…はぁ…」
知らない間に激しく息切れをしていた。
なんなんだ…
なんで何も悪い事していないのに、警察に終われる犯罪者みたいな気分なんだ。
リッキーはとりあえず逃げ切れた事にホッとして扉から耳を離した。
「そういえば、ここ誰の部屋だっけ?」
リッキーが隠れた部屋は真っ暗で何も見えない。
確か俺の部屋は廊下を進んだ最も奥で、隣の部屋と言ったら…
パチン!
思い出す前に急に灯りがつき、住人の姿が目に入った。
「あ、すいません。ちょっと人に追われてるもので…」
暗闇に目が慣れてしまったせいか、急に明るくなると視界が真っ白に染まってハッキリと顔が見えない。
リッキーは目をごしごし擦りながら、前に誰がいるのかを確認する。
「あの、ですから一時ここに……あっ」
姿を確認出来た。
出来たは良かったものの…状況は最悪だ。
「リッキーどうしたの?勝手に入ってきて」
着替えの途中だったらしい。
上半身が下着姿のサラが目の前にいた。
「サッ…サラ!?///誤解です!俺はそんなつもりじゃ…」
しまった…隣は女性の部屋だった。
彼女はニヤリと笑い、指をゴキゴキ鳴らし始め…
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