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……………
ボビーの父親らしい謎の老人から室内に入れてもらえた入れ替わったふたり。
和室に案内され、並べられた座布団に座る。
出されたお茶を一口飲んで、早速本題に入る事にした。
「すみません。ご旅行の予定があったのに。
俺達、息子さん…ボビーさんのお友達なのですが、ちょっと困った事がありまして」
ナイジェルの姿をしたリッキーが話を切り出すが、父親は何故か「フガフガ」としか言わない。
通じてるのか?と不安になるが、とりあえず話を続けてみる。
「あの、俺達精神が入れ替わっちゃったみたいで…
ば、馬鹿にしているわけではないですよ!本当なんです!それで元に戻らなくて困ってるんです。
ボビーさんから『お父さんなら戻す薬を持っている』と伺ってここへ来たのですが…なんとか出来ませんか?」
こんなにも丁寧口調で、しかも長い台詞を口にするナイジェルの姿はまず見られない。
しかし肝心の父親は何故か「ヒィヒィ」ともがいている素振りばかりだ。
やはり地球の言葉が通じないのではないか?
困ったリッキーは、自分の姿をしたナイジェルの耳に手を当てヒソヒソと話しかける。
「ねぇ…ちゃんと伝わってるんですか?」
「知らね。本人に訊いてみれば良いじゃねぇか」
「訊いてもわからないから、訊いてるんじゃないですか!何かさっきから、どこかの民族用語を話してるみたいだし」
「じゃ、通じてねんだろ?」
「そんな軽く言わないでくださいよ!どうするんですか!会話が出来なきゃ、ここへ来た意味がないじゃないですか!
大体、ボビー20代でしょ?何で父親が言葉も通じない程の年寄りなんで…」
―ガフッ!
リッキーは父親の持っていた杖で一発強くしばかれた。
「なんだ、通じてんじゃん」
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