14
バイクは細い道を抜け、ようやくスピードを落とした。
激走から解放され、疲れ切ったリッキーは一息ついて前の男に声をかける。
「どうしたんですか?トイレですか?」
バイクから降りたリッキーの姿をしたナイジェル。
「ここだよ」
「え?何が?」
「だから。ボビーの実家」
ふと目をやると、築何十年かと思われるようなオンボロの建物が視界に入る。
しかもその家の中から、これまた築何十年かと思われるようなしわしわで歯の欠けた老人が出てきた。
しかし色黒の肌とボリューミーな白髪頭には明らかに見覚えがある。
リッキーの姿をしたナイジェルはその老人に近づき、頭をポンポン叩きながら言った。
「ボビーのお父上だ」
「お…お父さん?」
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