……………

それからも、ナイジェルはジミー先生の厳しいレクチャーを受け続けた。

清潔感のある体。良い男の香り。

鮮やかな日常動作。細やかな他人への配慮。

優しく甘い仕草。人を惹きつける笑顔の作り方。

女性への華麗なエスコート。

完璧な男とは…


3時間の厳しい試練を乗り越え、ついに彼は念願の「生まれ変わった自分」を手に入れた。

最後にジムは完成系ナイジェルの姿を見て、満足そうに数回頷く。


「よし!これでお前の事を誰にも『ダメなオッサン』なんて言わせないぞ!」

「お前も昨日まで散々言ってたけどな」

「細かい事は気にしナイジェル!」


そこでビッキーも口を挟む。

「大丈夫だよ!さ、戻ってサラに見せてあげよう!絶対ビックリするよ!」


生まれ変わった彼の腕を握り、一直線に走り出す。

目指すのはサラが待つウィンディラン本部。


「ジミー先生!色々とありがとうございました!」

「行ってらっしゃぁい!!グッドラァアアック!」


派手なジミー先生が手を振る姿を背景に、ナイジェルは4人に腕を引っ張られ会場を後にした。


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