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〜美の追求・レッスンU〜
【中身を磨く】
「ハァ〜イ!ナイスガイというのは、見た目だけがビューティフルメンではあーりまセェン!今からユーには、体の内面を磨いて頂きマァス★ジャストドゥーイット?」
「…はぁ」
「『はぁ』じゃアウット!アンサーは爽やかに『はい!』もしくは『イエ〜ス!』まずはその言葉遣いからですねぇ」
「……。(イエ〜ス!なんて言えるわけねぇだろーが)」
面倒臭そうに頭を掻くナイジェル。
そんなやる気のない落ちこぼれ生徒もジミー先生はお構いなしだ。
「良い男というのはハキハキとフレッシュに!
『はぁ〜(ため息)』
『ダリィ…』
『面倒くせぇ…』
こんな言葉を口にしてはユーダイ!!」
「そーなんすか。でもいきなりそんな事言われても…」
「アウチ!その言葉遣いはエヌ・ジー!それに良い男というのは弱音を吐きません!ポジティブに前向きに!あのサンシャインへ真っ直ぐ突き進むように!」
「…はぁ?」
「ポジティブ!ポジティブシンキング!」
「………。そ…そうですね!俺…今度から失敗しないように一生懸命頑張ります!」
・
・
・
「プッ」
「オィィイ!!リッキー、今お前吹いただろ!?俺だって好きでやってるわけじゃねんだからな!」
そこでバニーガールビッキーが笑顔でナイジェルに近づき、ヒョイと咥えていたタバコを取り上げた。
「…っ!?何すんだ、テメ」
先生「言葉遣い!」
「あっ…そうか(面倒くせーな)ちょっと!何をするんだい、ビッキーちゃん!」
「せっかくここまで爽やか路線で来てるのに、タバコがあったら台無しだよ!」
「っ…まさか…」
見た事もない彼の不安そうな表情。
そこで無邪気な彼女はこの男がこの世で一番嫌いな単語を、はっきりと大きな声で口にした。
「ナイジェルは今日から禁・煙!バンザーイ!良かったね、これで寿命伸びるかもよ!」
「………。」
彼は顔を真っ青にして、それから何も言い返せなかった。
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