「ちょっと、サラ!」

叫んでサラの元へ走ってきたのは、慌てた顔をしたビッキーだ。

メインルームのソファーでひとり携帯をいじっていたサラは、いつものようにあまり表情を変えずに振り返った。


「何?」

「ナイジェルが!ナイジェルが今日おかしいんだって!」

彼女の言葉にも動じず、サラは携帯画面に視線を戻す。


「あの人がおかしいのはいつもでしょ」

「いつも変だけど、今日はいつも以上に変なんだって!ねぇ、ちょっと来てよ!」

「え…あ、ちょっと!」


ビッキーはサラの腕を強引に掴み、ナイジェルのいる休憩室へと無理やり引っ張り出した。


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