17
……………
「リッキィィィイ!!」
グチュンッ!!
もはや人間の潰される効果音ではない。
ロケットミサイルの如く飛んできたビッキーに、その男はぺしゃんこに押し潰される。
部屋中にただ事ではない轟音が響いて、軽く地震が起こった。
「ちょっと、何遊んでるのよ。もうすぐレースが始まるわよ」
バイク器具の荷物を運んでいたサラは、そんなふたりを見て通り過ぎざまに叱る。
「サラ…これが遊んでいるように見えますか…?どこからどう見ても襲われてるでしょう…見てるなら助けてください…」
「リッキー大好きぃ★」
ゴキゴキゴキッ!!!!
「痛い!痛い痛い痛い!」
「何度言ったらわかるの?遊んでばかりいたら、ふたりとも晩ご飯抜きにするわよ」
「だから遊んでなんか…!」
ボビー「ビッキーちゃんのピィイインチッ!リッキー、オイコラテメー!ビッキーちゃんのS心に火をつけさせようと悪巧みをしているようだが、お前の思い通りにはさセントバーナード!」
ガッシャァンッ!!
そんな非日常ないつもの日常を見ながら、ジムの隣に立っていたナイジェルが呟いた。
「おい、ジム。なんかビッキーちゃん…いつもと同じじゃね?」
「そうだな」
「そうだなって。あの後何もなかったわけねぇだろ。部屋からすんげー泣き声聞こえてきたし」
「さぁな」
「あのなぁ…」
「まぁいいじゃん。アイツにはあのキャラクターが一番合ってるんだからな」
何故か珍しく余裕綽々の顔。
ナイジェルの納得いかない表情を横目に、ジムはリッキーを締め殺す寸前のビッキーの姿を笑って眺めていた。
fin
[ 181/195 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]