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……………
「では皆さん、お世話になりました」
翌朝。
玄関を出て外に集合し、ローラは一晩泊めてくれた兄の仲間達にぺこりと丁寧にお辞儀をした。
「たった一日しかいられないなんて。寂しいわね、お兄ちゃん」
「はは!そうだな」
ポンっとからかってジムの背中を叩いたサラに、叩かれた本人も笑ってスルーしている。
心の中で「お前もお兄ちゃん大好きだろ」とでも思っているのか。
ナイジェル「お嬢ちゃんまた来いよ。今度はおじさんが拳銃の撃ち方を教えてやるから」
ボビー「それよりも、僕が拳銃の撃ち合いのやり方を教えてあげるよ」
リッキー「いや、それよりも今度は俺がお兄さんの撃ち方を教えてあげますからね」
「リッキー、もうそれ俺限定だろ!なんでそこまでして俺を殺したい!?」
ジム以外の男達は何も変わっていない。
昨夜と同じような台詞だ。
「だから冗談ですよ」と笑うリッキー。
間違いなく俺の仲間はおかしい奴しかいないと思われたに違いない。
「ふふ!やっぱりお兄ちゃんのお友達は楽しい方ばっかりね」
ローラの笑い方も上品だが、どこか少女のように茶目っ気がある。
全く引いたりおかしい人と思っているような顔ではないのが救いだ。
「全く…お前も変わらないな。まぁ、またこっちに来る機会があれば顔出せよ。今度はちゃんと歓迎してやるから」
「ありがとう。それじゃバイバイ」
彼女が背を向けて帰ろうとした瞬間、
ふとサラの横にいたビッキーと目が合った。
「……ッ…」
「…………。」
一度目が合ってしまうと逸らせないふたり。
黙り込み、お互い何も言わずに一瞬時間が止まったようだが。
ローラはすぐにニコリと笑って口を開いた。
「これからも兄をよろしくお願いしますね」
「………ッ…」
彼女の目には少しの濁りもなかった。
その言葉の奥底にある意味。
それを理解するのも、数秒あれば十分事足りる。
「はい!任せてください♪」
少し空白があったものの、ローラの言葉にビッキーは笑顔で返事をした。
満足した彼女はコクリと一度頷き、「それでは」と不思議な余韻を残してその場を去って行った。
「良い妹さんね!」
「あぁ、もちろん。俺の妹だからな!」
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