14

………………

「何なんだよ輪ゴム1年分って…。1日あたりに使用される輪ゴムの消費量がわからない」


夜。ここはいつものウィンディラン本部・メインルーム。

ジムは運動会から帰っても、ブツブツひとりで文句を言ってソファーに座っていた。

(なんだかんだ言いながら、貰った輪ゴムでかれこれ40分は遊んでいる)


「そう怒らないの。いいじゃない、アンタこれだけ輪ゴムがあったら、何千時間遊べると思ってるの?」

「俺の人生をどれだけ輪ゴムで潰すつもりだ」

サラのからかいに、勝負に勝ち抜き優勝したはずのジムは大きなため息をついた。


「まぁ、10万円が貰えただけ良しとするか」

「いいなぁ!私も欲しかった!」


羨ましそうに封筒を見ながら、ほっぺを膨らませるビッキー。

その隣に座っていたリッキーも口を挟んできた。


「本当ですよ!俺もまた新しい猫が13匹増えて、ますますお金がかかるというのに」

「またそんなに拾ってきたのか!?お前の周りにはどうしてそんなに捨てられた可哀想な猫がいるんだよ」

2度目の大きなため息をつく。




「まぁ…」

「……?」

「この金で皆で美味いものとか食ベに行くのも、悪くないだろ」


「「……ッ…」」


全員の視線が集まる中。

彼は軽く笑いながら、鞄から取り出した運動会の写真をテーブルの上に広げた。


fin


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