その後、6人は必死にダミーパンと戦い続けた。

諦めずに何度もパンに食らいつくが、なかなか当たりの美味しいあんパンに出会えない。


ナイジェル「うお!なんだこれ、ハリネズミが入ってんぞ!」

ジム「大丈夫か!?無理して食べるな!血まみれになるぞ!」

ビッキー「いゃああああ!これキャビアがぁ!」

ジム「あんこより高級品だろ!ある意味大当たりじゃねーか!」

サラ「何よ、これ自転車じゃない!誰?こんなもの入れたのは!」

ジム「あんパンの中に自転車入ってるってどういう状況!?どんだけデカいパンなんだ!」

リッキー「…グフッ!!」

ジム「おい!リッキーお前、口からおたまじゃくしが孵化してるぞ!もはや美男子の欠片も残ってな……グフッ!(ボビー人形)」









パンを咥えては倒れ込み、また立ち上がってパンを咥える行為のヘビーローテーションが5分は続いた。


パクッ!


「…!」

全員がダミーパンに苦戦する中、ビッキーがひとつのパンを咥えて何かに気づいたようだ。


「おーっと!ようやく『チーム:地獄パン』を一番に脱出したのはビッキー選手だぁ!さぁ、そのまま一気にゴール!」


ゴールテープを切った彼女は、咥えていたあんパンをテーブルに置いて嬉しそうに跳ね上がった。


「きゃぁあああ!リッキー!私が一番よ!見てた!?ねぇ、見て…」

「ビッキーちゃん、おめでとう!」

「…え?」


一位でゴールしたはずなのに…誰かに声をかけられた?

喜んでいる彼女の後ろに立っていたのは、気持ち悪く笑みを浮かべているボビーだ。


「アンタ…なんでここに?」

「もちろん☆僕が一番だったからに決まってるじゃないかい!パンの中に変なものが入ってたんだけど、気にせず食べながらゴールに走ったら一位になっちゃった!」


自慢気に話すボビーの顔を引き気味の顔で見た。

「へ…へぇ…良かったわね。で…何が入ってたの?」

「青酸カリ」

「………。」


愛しのリッキーとは全く違う反応。

ただただドン引きし、顔色を真っ青にする。


「それより君も僕を追って2番になるなんて凄いじゃないか!じゃ、ご褒美に愛のチューをあげちゃおうかな!」


バンッ!


ボビーはビッキーに空砲で(何故か)射殺された。


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