18


「「………。」」

警備員全員は、ある光景を見て目を点にした。

彼らの目に映ったのは、





壁に寄りかかり、熱いキスを交わしていた男女。






その一部始終を目撃した警備員は、もちろん何事かと頬が真っ赤になってゆく。


「こ…ここじゃなかったのかなぁ…」


気まずい。

これは他人が見てはいけない場面だ。

そう察した先頭の警備員は何も知らないフリをして、わざとらしく口を開いた。


「し…失礼しましたぁ…」

その表情のまま、彼らは慌てて部屋を退散。

元の誰もいなかった静かな部屋へ戻った。















「ふぅ…。何とか乗り切ったな」


「何…」


「………え?」


「しやがんだ、テメェェェッ!!!!!」


バコォォォンッ!!

ジムはナイジェルから強烈なアッパーカットを喰らい、そのまま天井にぶつかって床へと落ちた。


「イッテェ!何すんだよ!?」

「そりゃコッチのセリフだ!言っとくけど、俺そっちの趣味はねーから!」

「俺だってそんな趣味あるか!ただこうするしかなかったんだよ!現に俺達こうやって助かってるじゃないか!」

「にしても限度っつーもんがあるだろうが!ぶん殴られてーのかテメェ!」

「もう既に一発殴ってるだろ!」

「うるせぇ!なんか恥ずかしいからもう一発殴らせろ!」

ナイジェルは女物のカツラを被ったまま顔を真っ赤にして、男の胸ぐらに掴みかかった。


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