「…どういう事だい?ユウリ、説明してもらおうか」
「あ…あのぉ…」
怖い、怖いよチェレン!さっきから貴方の後ろにはサザンドラでもいるんですかってくらい凶悪なオーラが、はい怒ってるんですよねすみません。
ど、どうしよう〜Nはさっきからチェレンが睨んでるってのにずっと微笑んだままだし、こうなった時のチェレンは誰にも止められないし…
でもなんとか誤解は解かない、と!
「チェレン聞いて…」
恐る恐る言葉を綴っていく。いつ怒られるか分からなくて、ちょっと怖いけど。
「え、Nはね…あんなことがあった後だから信じられないかもしれない、でも本当は良い人なのよ!」
お願い、分かってチェレン!
「はぁ?」
はいすみません私今心にもないこと言いました。
「え、えと…一緒に住むとかは別として、とにかく悪い人じゃないから!心配しないで!むしろ家をなくして困ってるのよ!?私放っておけないもの」
ちらり、チェレンを見ると呆気にとられた様子で私を見下していた。うわああんこんなの偽善だよねごめんなさい本当は必死にこの場をやり過ごそうとしてるんですチェレンごめんなさい…!
「…もう、いい」
「へ?」
「呆れた。僕はもう何も言わないよ、ユウリがそうしたいんなら勝手にすればいい」
チェレン…!
あんた優し過ぎるよ。
「チェレンありがとう大好きっ!」
私は思い切ってチェレンに抱き着いた。
「っ、ユウリ、何するんだい」
…無理矢理引きはがされた。
こほん。
「その代わり!」
咳ばらいをひとつして、チェレンがびしっ、と指を立てた。
「責任を持って育てるんだよ」
うっすらと微笑んだチェレンに、思わず涙腺が緩んだ。
「…はい」
うん。チェレンは最後にもう一度笑うと、私の頭をくしゃりと撫でた。
「じゃ、僕はこれで」
パタン。チェレンが出て行った。私は溜め息を吐きながら後ろを振り返った、すると予想通り黄緑の物体が突進してきた。
「こ、今回は特別だからね!」
はあ。結局認めちゃったよ。ママになんて説明したらいいんだろ…。
そんな不安がふと頭を過ぎったけど、でも今は分かってるって、と笑うNを見て、まあいいか、と思えたんだ。
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Nがペットのような描写がありますが、断じて違います。