…ちょっと待って。
なんで今私の目の前で、数ヶ月前散々振り回された挙げ句何処かへ行ってしまった電波系少年が寝ているの。

ここは私の部屋なんだけどなーアレおかしいなー夢じゃないよね?
試しに頬を抓ってみた。
…痛い。うん痛い。
ってことは夢じゃない………

「なんで……」

私が放心状態のまま何もできず、彼の寝顔をじっと見つめていればいきなり彼の瞳がパチリと開いたかと思うと、なんと抱き着かれた。

「会いたかったよユウリっ!!」
「……は」

Nは私の胸元に髪を埋めてぎゅーっと力強く抱きしめてくる。

私はとりあえず落ち着こうと思い彼を力ずく(あ、私ヒヒダルマじゃないわよ)で引き離すと、彼の整った顔立ちで真っ白い肌の頬を思いっきりビンタした。

バチン!!

うん、スッキリ。

「いッ…!?」

Nはびっくりして痛かったのか頬を押さえている。(涙目にもなっている)

「いきなり何するのさユウリ!?僕ちゃんと帰ってきたんだよ!?」

「…っ知らないわよ!大体なんで私の部屋にいるの!鍵は!?下にお母さん居るんだけど!」

「僕やっぱりバケモノだったみたい、念じたら窓の鍵が開いたよ☆」

ちらりと窓の方に目をやると、案の定ポケモンの技か何かで破壊されたであろう窓とガラスの破片。

「…どう見ても壊したわよね窓弁償してね」

「酷いよユウリ!!僕今家出してきちゃったから一文無しなんだ!お願いだからここに住ませてよ!」

「何意味わかんないこと言ってんの…ふわぁまだ朝7時じゃない私二度寝するわおやすみ」

「ユウリー!!」



本当は帰ってきてくれて少し嬉しかった、なんて絶対秘密


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