悪い予感ほどよく当たるものだ。
どうやら私が勘繰っていた通り、ジュンはヒカリちゃんが好きだというのは本当だったらしい。
一瞬の出来事
今朝、ジュンとヒカリちゃんが付き合い始めたとコウキくんから聞いた。
私はジュンのことが好きだったから失恋したことになるのだけど、それよりもどうして直ぐに教えてくれなかったのか。そっちの方が何倍も悔しかった。すごく不思議だけど。
ジュンは新しい靴を買った時でも、この辺りでは珍しいポケモンを捕まえた時でも、誰よりも先に私に教えてくれてた。
だからだろうか、私より先にコウキくんに教えていたことが嫌で。
気がつけば涙が零れていた。
私はいつの間にか、「ジュンは私のものだ」という考えが定着していたのかもしれない。
ジュンは、もう私のものじゃない。
ヒカリちゃんのもの。
遠くに、沈んでゆく夕日が見えた。
明日になればまた朝日は昇るけれど。何故か私は寂しくなった。
あの夕日が、ジュンに見えたのかもしれない。
(つまり私がジュンのことを好きになったのはほんの一瞬にしか過ぎなくて)