私の手持ちの一匹、ピカチュウ。
小さくて可愛くて、いつもいっしょの一番のパートナーだ。
だけど最近、そんなピカチュウの様子が変だ。
話しかけてもボーッとしていて、昨日は得意なバトルでも珍しく負けてしまった。
「ピカチュウ、おやつだよー」
「………」
ピカチュウの大好きな甘い味のポフィンをあげてもこの様子。
「ピカチュウ?食欲ないのー?」
「…あのね名前」
「んー?どした?」
「名前はボクのこと、好き?」
何を言うかと思えば…そんなの、
「うん。大好きだよー」
決まってる。
ピカチュウは私の一番のパートナーだもん。
「…じゃあね、ボクのこと、一番好き?」
「一番、ってのは…?」
「他のポケモン達よりボクの方がが好きか、ってことだよ」
―他のポケモン達より…?
パートナーとしては、ピカチュウとが一番長い付き合いだし、コンビネーションも抜群だ。
だけど他のポケモン達だって私にとっては大切なパートナーだ。
「…んー、それは決められないよ。私にとっては皆大切な仲間だもん」
「仲間…」
「そう、仲間」
「分かった。でもボクは名前が一番好きだからね!」
「…ふふ、ありがとうピカチュウ」
僕を好きな君だけを
(名前は優しいなあ)
(でもいつか、ボクだけを見てくれますように)
title byLargo