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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -

category:[FF10]


もひとつ気になったのが、従召喚士はどうやって異界送りを会得するのかってこと。
召喚士になるのは祈り子と対話できるかできないかで簡単だけど、異界送りできるようになったかどうかってどうやって判断するんだ。
従召喚士の就任試験みたいなものがあるとして、ちょうど人が死ぬのを待つのか?
いざ送るべき死体を前に従召喚士候補が異界送りをして、「すんません失敗しました」って酷くない?

なんとなく、「祈る」が基準になってるんじゃないかなと思った。
MP使わないわけだし、自分の魔力じゃなくて空気中のあるいは相手の体内にある幻光虫に作用して回復してるとか。
幻光虫に干渉できる=異界送り可能と認められる。とか。

FF10の幻光虫の設定はすごく好きだな……。
死んで迷ったら魔物になるってのもいいよな……。
ゲームでは避け難い“戦闘終わっても死体がない”問題も解決されてるし。
腐敗の代わりに魔物化があるんだろうな。
でもたぶん魔物になるのは肉体だけで魂は別なのだろうと思う。
魔物には人間時代の自我は残ってないわけだし。

チャップって、異界送りされてないと思うんだよな。
ミヘン・セッションでは運よく?ユウナもシーモアもいてくれたけど、一年前にも偶然召喚士が通りかかってない限り戦死者は魔物化を免れない。
でも異界には出てくる。
肉体は魔物になったかもしれんが、魂は死を受け入れさえすれば異界へ行けるんだろう。
ティーダ母みたいに。
ちなみに転生夢の方ではチャップはズークが送ったことにしてある。
まだその辺に触れてないけど。

メイチェンも言ってたように、アルベドみたいに幻光虫というものを化学的に定義しようとしても「異界に現れるのは死者だけ」ってところで引っかかるのがすごくいい。
生者の記憶に反応して幻影を写してるだけなら思い浮かべたものが何でも現れるはずなのに、そうじゃない。
肉体とは別にその人を構成していた何かが幻光虫としてスピラのどこかに留まってるんじゃないかと思える。
たぶん輪廻転生もあり得ると思ってる。

異界でワッカの呼びかけに反応してチャップを形作ってた幻光虫は、かつてチャップ本人だったかもしれない。
そしてその幻光虫がまた人間としてどこかで誕生する可能性は充分にあるんじゃないか。
そう考えるとなんかいろいろ救われるし、あとキーリカでワッカが言ったこともあながち妄想とも言い切れないよなー、と思ってる。
まあワッカの言葉自体はそりゃ都合のいい妄想なんだが、プレイヤー視点で見ると「シンに殺された死者がどっかへ運ばれる」ってのは確かに当たってるわけで。
だってルッツ(orガッタ)とかシンの内部にいるもんな。

今ふと思ったけどジョゼ海岸の防衛作戦での戦死者を異界送りできる召喚士、一人いるなぁ。
エボン=ジュが。
シンを構成する幻光虫を得るためにシンが殺した命のいわゆる魂的な部分を持ち去ってたりとか。
分解されてシンの内部に取り込まれたチャップの魂がエボン=ジュ経由で夢のザナルカンドでティーダを構成する一部になったとか、絶対にないとは言えなくないか?
まあそんな妄想もできるFF10の濃いわりにガチガチじゃなく想像の余地を大いに残した幻想的な世界観がやっぱり大好きだな、と。

ていうか、ワッカってこれでもかとスピラの一般人らしさを詰め込んだキャラだけど、意外と言ってることが(プレイヤー視点から見ても)まともだったりするよな。
例のマカラーニャでのリュックとの口論だって、アルベド差別にばかり目が行きがちだけど「シンが生まれたのは機械のせい」は結局正しかったわけじゃん。
まあ実際はエボン教を自称するベベルが諸悪の根源ではあったのかもしれんが、とにかくシンが機械による悪意に過敏という点に関しては何も間違ってなかった。
シンがテラ・グラビトン使うの、ミヘン・セッションと飛空艇で攻撃した時だけで、キーリカ襲う時はのしかかるだけだったし。

なんつーか、機械を使おうが使うまいがシンは復活し続けるけど、アルベドの行い被害を大きくしてるのは事実じゃんっていう。
そしてエボン教が間違っていたことは白日のもとに晒されるのに(おそらくアルベドが社会的弱者として描かれているために)アルベドが間違ってたことについてはゲーム上では有耶無耶にされるという。
そんな辺りも不憫だぜワッカ!

真面目な話、アルベドって弱者(被害者)だからいろいろ許されてる感あるよな。
ワッカ好きなのにシドへの謝罪シーンそんなに好きじゃないのもそこら辺があるからなんだけど。
いやワッカが謝るのはいいと思うよ?
でもそれ以前にシドも謝ることがあるよな?
ワッカが悪いからってお前らが悪くないことにはならないからな?
と思いモヤモヤしました初回プレイ当時。

ユウナ誘拐はさておきアルベド・細工スの「一回戦で負けろ」は卑劣以外の何物でもない。
ああいう部分で「アルベドも嫌われる謂れはあるんだよね」ってのを表現してるのだとしたら感服する。
ていうか10-2でのシドの扱いを見た感じ、ワッカの“アルベド嫌い”を改めさせてシドの“俺もエボンの民ってやつが嫌いでよ!”を改めさせなかったのは、やっぱり故意なのかなぁ。
シドはシドで妹が死んだ苦しみの責任をブラスカに押しつけてエボンの民を毛嫌いしてたんじゃないのかな。
やはりワッカとシドは合わせ鏡なのか……。

なんか話変わっちゃったけど、FF10の死生観やっぱ好きだなという話だった。


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