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category:[日記]


思うところあって数年前に見かけたヘイト創作に関するまとめを読み返してた。
当時とは違う感じ方をする部分も多く、変わらない部分も多く。
一番でかいのは私も「自覚的にヘイト創作をした」ってことだな。
ヘイト創作する側の視点から読んでみたよ。
DAIのことだけどな。

公式の出してきたものなら何もかもすべて肯定しなきゃいけないのか?
旧作キャラを無意味に出して安いお涙頂戴展開のために殺す展開を、シリーズファンとして喜んで受け入れなきゃいけないんだろうか?
喜べなきゃシリーズファンではないと言われるなら私は喜んでファンをやめる。旧作だけのファンになる。
新作を受け入れることは前作、前々作を惨たらしく殺すことを肯定するも同然だから。

べつにDAIをプレイしたことを忘れて終わりでもよかったんだ。
実際、ヘイト創作なんぞしたくないのでそうしようと思った。
できなかった。
DAOがあまりにも好きだから、そこから続く世界の未来でこんなことが起きているのが耐えられなかった。
私の大事な旧作主人公たちはこんな糞みたいな未来に至るために苦しみながら戦ってきたのかと。

よって憎しみを捨てきれず、DAIに関する二次創作はすべてヘイト創作だと自認している。
DAIへの憎悪を自分の中で処理するために創作していた。
「好きなやつと死ぬまで一緒にいたい」と願っただけのアリスターがDAIで虫けらのごとく無意味に殺されるくらいなら、とDAOの巨大地雷だった主人公とアリスターの結婚を考察し直して受け入れた。
アリエリ結婚ネタは私のDAIヘイト(とDAO愛)の塊だ。

もう散々いろんなところで吐き出してるけどもちろんDAIにも好きな部分はたくさんある。
あるが、こんな糞は存在ごと消えてなくなればいいという憎しみもある。
僅かの好きを莫大な嫌いが押し潰している。

前提として私がヘイト創作するに至った理由が上記なんだけどさ。

べつに新作主人公が悪いわけではないので、他キャラに新作主人公をいじめさせて溜飲をさげたりはしない。
そういう流れは好きではない。
DAIキャラの好きなところを寄り集めて、愛情を籠めて書いていた。
数少ない好きなところだけを抽出して、糞ムカつく展開をなかったことにする、あるいは形を変えて受け止めるのが私なりのヘイト創作。
ただヘイトの対象がキャラクターではなくストーリーだというだけで、根本的に同じものだと思ってる。

いわゆる“○○ざまぁ”とか一時流行った“厳しめ”とか。
要するに何かがすごく好きで、それを好きでいるために邪魔なものを憎んでるのが大半じゃないかと思うんだよ。
そうなるとヘイト創作の裏にあるのも何かに対する愛情じゃないのか。
(純粋にネガキャンorウケ狙い集客目的で書いてるものはべつとして)

いじめられたらいじめ返すのは確かに間違ってるかもしれんが、それは悪いことなのかっていうとまた別問題だと思う。
自分に害をなすものに対して無関心で居続けろってのは無理だ。
不快なものを攻撃したくなるのは自然なこと。
現実的には諸々の事情あってそれでも抑えなきゃならんだろうけど、創作の中でくらい悪意に満ちてたってその人の自由だよな。

少なくとも、言って許されるのは「私ヘイト創作は理解できない」までであって「私ヘイト創作は嫌だから存在しないで」は駄目だろう。
原作愛のない二次創作なんて誰もすべきじゃない? でもその根本にあるのは身勝手かつ弾圧的な拒絶でしかない。
「マイナスイメージの二次創作があまり流行って公式が動いたら私まで創作活動できなくなるでしょ! 媚び売らないなら二次創作すんな!」

単純に嫌われモノが生理的に受けつけないとかってのもあるんだろうけどさ。
そんなもん他のあらゆる地雷と同じで「嫌なら見るな」で終わりだろ。
創作することで悪意を発散する人がいたってべつにいいんじゃない。
そんなことしてほしくない人は愛に満ちた二次創作だけ見てればいい。

大体、それが二次創作である時点で見る人の価値観次第で何だってヘイト創作になり得るわけで。
私は(ヘイト創作だと自分で思うものは別として)基本的に原作愛で二次創作をやってる。
嫌いなだけの作品で二次創作なんかしない。
でもその原作のどこを愛するかで食い違ってる人にとっては、私の創作物はすべてヘイトになる。

「あーカイナッツォ死なないで生きてできればセシルと和解して、しなくてもいいから幸せになって」と生存ネタやる人がいれば「カイナッツォはあの死に方があるからこそカイナッツォなんだろうが勝手に生かして改悪してんじゃねえよ、アンチかよてめえブッ殺すぞ」と思う人もいる。
両方とも私だけど。

解釈が違えばそれは見る人によって原作レイプだし、その齟齬が大きすぎると「この人は原作を理解してない!」と思い込みがち。
でもいくら「私は本当に原作を愛してます!!」つってもその愛し方が万人にとって必ずしも正しいわけではない。
見た感じキャラを酷い目に遭わせててもそれがその人なりの解釈かもしれない。
逆も然り。自分では愛してるつもりでも誰かから見れば吐き気を催す邪悪な作品かもしれない。

まあ「勝手に分かった気になって全面否定してるけどお前も同じ穴の狢なんじゃないのか」という話。
当時は私もヘイト創作あれこれで「理解できない、愛情あっての二次じゃないの、やだ」というようなことを言った覚えがあるので大いに反省した。
何を原動力にしてようが人の勝手だよな。
ヘイト創作とか、区別する意味あんのかなと思うようになった。

それでもヘイト創作は相変わらず好きではない。
ただ不毛と分かってても書かなければ耐えられない気持ちもよく分かる。
べつに分かりたくなんてなかったですがね。


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