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「#幼馴染」のBL小説を読む
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category:[FF4]


カインって「ゴルベーザ(ゼムス)に操られてはいたけど意識はあった、ローザへの欲に目が眩んで洗脳された部分もある」んじゃなかったの?
で、そういう自分を理解してるからこそセシロザを心から祝福する自信がなくてバロンを出たんだよな?
クルーヤが見兼ねてパラディンの試練ってのは分からなくもないんだけど、十数年後は遅すぎるだろ。
それまでに自力で乗り越えられるだろ。
そんなに時間経ってようやく得た結論が「過去は決別するものではない、悪い部分も俺自身だ」って……。
二十代半ばの若者でも余裕で辿り着きそうな境地に辿り着けないほどカインは馬鹿だとでも言いたいのか?

これまでに挫折を味わったことのないエリートキャラなら分かるけど、カインはとっくにそれを実感してるはずのキャラだろう。
それとも「暗黒剣を極めれば出世できるだろうが俺は竜騎士の方が性に合う」辺りが「汚れを受容できない清廉潔白な性質」にでもすり変わったんだろうか。
私はむしろあの発言で「竜騎士団が落ち目だとしてもここにいるのが自分らしさだ」という意図を感じたんだけどな。

まあ、しかしカインの件はクルーヤも悪い。
あの人「決別しろ」的なこと言ってくるしな。
セシルの時もそうだったけど引っかける気満々じゃねえか。
あとカインに導きを与えるのはいつでもできたはずなのにあのタイミングで声かけたの、要は「息子たちを助けるためにちょうどいいからこいつパラディンにしたろ!」ってことだろ。
何なんだ。ゼムスより真っ黒じゃん。好き。

で、カインが二人に別れて戻る時のことだけどセオドアが謎男の正体に気づく瞬間ってあらゆる意味で美味しいのに、なんで流しちゃったの?
あの辺のぐだぐだっぷりったらないですよ。
そんな、セシルが操られてるなんて!
そんな、なぜ敵がバハムートを!?
そんな、謎の少女がいっぱいいる!
そんな、黒衣の男がゴルベーザ!?
もうぐっちゃぐちゃ!! 何なの!
今まで散々「謎の少女が現れた!」「パーティは倒された……」を繰り返してる無駄シナリオの中でちょっとずつ消化できなかったの?
セオドアが両親と離れたところでようやく自分自身に向き合うことができて、はからずも彼を導く役割を担ってカインもまたセオドアの成長を見つめることで自らの歩むべきだった道を知った、っていう大事なところ。
前もどっかで言ったけど「あなたは、まさか……でも今それどころじゃないから後で!」みたいに流されたの悲しすぎる。

で、ボスラッシュ。
四天王を始めとする敵キャラの「本当はいいやつだったのに」な扱い方がものすごくムカつくけどそれは私の個人的な好みによる部分が大きいからとりあえず飛ばそう。

暗黒騎士との対決な。
またかよ、FF4でもやったし、ちょっと前にカインでもやっただろ。
ガラケーでプレイした時は配信ぶつ切りだからまだマシだったけど、PSP版を一気にプレイするのは本当に苦痛だった。
冗談抜きでTAのシナリオライターはコピペしかできないのかと思った。
最悪なのはローザとセオドアの台詞。
「あなたはセシルじゃない!」
「お前は父さんじゃない!」

じゃあ何のためにこのイベント用意したの、ライターさん。教えて。

「お前は私だ。一人で心を閉ざしていた、あの頃の……。だが、今は違う。お前は一人ではない……!」

でもTAローザとセオドア的にセシルの弱い心はセシルじゃないらしいですよ。
兄を憎まずにおれない、自分を受け入れない妻と子ならいらないと思ってしまう、そんな弱さも含めて自分自身という話ではなかったのか?
光の裏には闇があり、闇があればまた光もある。
邪悪な心と決別して弱さをなかったことにするのではなく、それを受け入れつつも決して負けないセシルたちだからこそクリスタルは輝き、ゼロムスを倒せた。
そういう話ではなかったのか?

セリフ回しの細かいところが微妙なのを差っ引いても、そもそもシナリオライターが何を書きたかったのかよく分からないゲームだった。
月の帰還にテーマがあるとしたら「FF4でやったこともっかいやろ」だろうな。

シナリオの粗悪さがクリエイターのショボさにも直結してる。
あいつもホント何なんだよ。

俺たち進化に失敗しちゃった! 何が悪かったんだろう?
あちこちの星にクリスタルを送り込んで進化のサンプルをとってみよう。
全然いい感じの進化しねえじゃん。もうこの星も壊そ!
ドゥワアアア!!
俺が正気を失う前に逃げろ!
アリガトウ……。

何なんだよ。勝手に迷走して暴走して自己完結して最後はなんかハッピーエンドっぽく死んでんじゃねえよ。
散々負けバトルしかけてきといて、プレイヤーの手ではとどめをさせない。
ラスボスを名乗らないでいただきたいですな。
永遠の闇でさえ好きな私でもコイツは好きになれんわ。
嫌いですらない。何もない。
クリエイターの長台詞、本当にFFなのかと疑わしい出来栄え。
辞典にはアリガトウが「とにかく名台詞」とあるが、台詞と言えるほど簡潔なのがそれしかないだけでは。

妄想なんだけどさ。
マイナスがセシルに半分だけ発言してるから“光を手に入れる”という目的は月の民で果たそうとしてたんだろうな。
いつも通り危機的状況でも寝こけてた月の民は殺されたんじゃなく誘拐される予定だったんじゃないかな。
パラディンの試練を主催してるのはクルーヤだし、月の民はデフォでクリエイターの言う光とやらを持ってんだろ。
んで月の血は半分だけで青き星の民として生きてきたにもかかわらず光を手にしたセシルは貴重なサンプル、と。

だとしたら月の民とセシルだけ誘拐してさっさと青き星から離れろよという話。
ゼムス戦の再現して光を得たのがカインってのもゲームの展開として分からない。
そこはセオドアじゃないの?
自分たちがどう進化すべきだったかを知りたいんだから、光を得たセシルの性質がセオドアに引き継がれているのか否か、光を手に入れた人類がどう変わっていくのか、それを見なきゃ意味ないんじゃないの?
もしくは、強引に光を奪って手に入れるならカインが聖竜騎士になった時点でそっちも連れて行けよ。

「劣等種が蔓延るの許せない!」で月ぶつけるのを無理やり納得するにしても、邪魔しにきたセシルたちをまともに迎撃しないのはなんでなの?
あのボスラッシュ(この期に及んで過去の再現)で他の仲間もパラディンになるのを期待したわけ?
でもさ、既にセシルの光を強引に奪ってもクリエイターの変化は止らなかったんだから、今さら他の人から光を得ても意味ないって猿でも分かるよね。
馬鹿なの? 学習能力がないの?
だから滅びたんだよ黙って死ね。

あんなに長いことぐだぐだしゃべってたのにクリエイターを全然愛せないんだよ。
善人でも悪人でも偽善者でもない、ありがちな“心を理解できない人工的な存在”というにも魅力が足りない。
もうクリエイターはとっくに死んでて、彼の創造物であるマイナスたちが感情を手に入れるために襲ってきた、とかの方がまだいいわ。

TAやってて終始感じるのは「このゲーム結局どうしたいんだよ、何が言いたいんだよ」っていう脱力感。
新キャラはみんな魅力的なのに描き方がクソすぎてだらだらマンネリ展開やってる間に終わってしまうから「○○の好きなシーンは?」って考えた時に挙げられるものが何もない。
ねえセオドアの見せ場ってどこなの?
セオドア主人公にするならセシルに持たせた役割はセオドアに渡さなければいけなかった。
群像劇にするなら各章に繋がりを持たせて真相に迫らせ「これ違う章で見た」なんて展開を続けてはいけなかった。
セシルとカインを主軸に置くならせいぜい二年か三年後でよかった。
実際、ゼロムスとの戦いに注目したクリエイターがすぐに攻めてきていたら「今さら何よ?」って違和感はなかった。

ついでに言うなら前作キャラの扱いも不満が残る。
セシルとカインは前述の通り、三十過ぎてまだそんなことやってんのかよってことをやらされる。
ローザは空気。ポロムは弟のオマケ。リディアは中途半端な苦悩キャラにされてしまった。
ヤンは特に見せ場もなければ失態も犯さない、無難な“前作キャラ”だった。
シドはとりあえず出さなきゃっていう義務感。
パロムとエッジとギルバートは恵まれてたと思うよ。
章もやってて楽しかったし。面白くはなかったがな。

結局4TAは
・クリスタルの故郷が分かった
・創造主は精神的に進化できてなかった
・クリスタルは独自に進化してるっぽい
というストーリーだったわけですが。

だから何だよ感。
FF4を踏み台……もとい土台にしてまで作るような話か、それ。
使い古されてカビ生えたような設定のクリエイターをどうしてもラスボスにしたかったのかな。
せめて
・ゼムスの時と同じことが起きているが、挑むのは成長したキャラ&次世代なので前回とは展開が違う
・進化が行き着くところまで行った種族なのでクリエイターは高位の存在らしく知的で気高い
・進化の答えが見つからない悲壮感があり、変に「ぼく可哀想」な展開を仕掛けてこない
これだけでもやりきってくれたら続編やったーだけで終われたよ。

ふう。しばらくぶりにTAへの不満をぶちまけてスッキリした。
テキスト読まなければ面白いゲームなんだけどな。
シナリオが穴だらけでしょっちゅう蹴躓くのがイラつくぜ。
細かいとこでも「名は捨てた、とうにな」「竜騎士だ、バロンのな」「殺すのだ、セシルをな」「俺の意思だ。完全にな」「殺してやる。お前の目の前でな」「本当のカインだ。俺こそがな」あと忘れたけどお分かりいただけるであろう。
倒置法が多すぎる、特にカインがな。
真面目な話、カイン編のテキストは酷すぎて一回のプレイでは頭に入ってこなかった。
これがなけりゃもっと格好よかっただろう、あのギルバートの台詞もな。

言ったはずだ

パカッ

断るとね


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