プロローグ

ぼたり、と落ちた赤い雫。

腕を掠めた爪は鈍く光り、闇夜に浮かぶ赤い2つの目は獰猛に獲物を求めていた。
口をだらしなく開けて荒い息を吐き出す目の前の“もの”が、
此処を世界から切り取った。


私を世界から切り取った。






―――………





幾つもあるパラレルワールド。
貴方がいる世界と平行して並ぶ世界は決して交わらない。

それなのに、矛盾とも言えるその現象。
世界は何かの拍子にリンクする。


貴方が気付かないだけで、


今日も何処かに穴が開く。







そして物語は始まった。

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