ナマエちゃんが作ったご飯を食べて、順番にお風呂に入って、2人掛けのソファに座ってドラマを見て。
夜も更けてきたころ、うとうとし始めた僕を見かねて彼女は「そろそろ寝よう」と言ってくれた。寝間着を着たナマエちゃんはベッドに入ると隣に一人分のスペースを空けてそこををぽんぽんと叩いた。とっても嬉しかったのだけど、ぐっと堪えて、「ちょっとトイレ」と言いそそくさと寝室を後にする。

トイレの扉を閉めた瞬間、なんとも言えない安堵感に包まれる。スエットと下着を一緒に掴み足首まで下げると、元気に飛び出すソレ。触れてもいないのにすでに頭をもたげて先っぽはてらてらと光っている。
毎回そうだった。
ナマエちゃんと添い寝できると思うだけで体の真ん中が熱くなってどうしようもなくなる。もちろんいい歳した男女なので並んで眠るだけでは終わらないのだけど、そう何回も付き合わせるわけにはいかない。一度でもあんなにひいひい言ってるのに、僕が満足するまで好き勝手身体を弄ったらナマエちゃんは一体どうなってしまうんだろう。セックスのセの字も最近覚えたような、可憐なナマエちゃんにそんな無体を働くことは絶対にできない。そこで僕は、お泊りのときは必ず二回は抜いてから同じ布団に入ると決めたのだった。一度はお風呂に入るとき。二度目はこうして寝る直前だ。もしなんらかのアクシデント(手料理が異常に美味しかった、テレビを見ながら手を握られた、等)で股間が固くなってしまったら、これもまたトイレに駆け込むようにしている。かなり不自然なときもあるが、なんてったってナマエちゃんは清純な女の子だ。僕が彼女の服の下を想像していやらしい気持ちになってるなんて、微塵も思わないだろう。

便座に腰掛けて、芯を持ったソレを強めに握る。あまりの快楽に脚が小刻みに震えだした。今日の彼女の寝巻きはいつもより襟ぐりが広く開いていていやらしかった。並んで歯磨きしながら、谷間にできた影を何度盗み見たかわからない。そこに手を突っ込んで、もうやめてと泣くまで弄り回したい。涎でべたべたに汚して、へその溝を舐めて、そして股の間も…。妄想の中の彼女はセックスが大好きでどこを触っても下品に喘ぐので、僕は力任せに腰を動かす。精巣がぱんぱんに腫れ上がる。竿も一層硬さを帯び、いよいよフィニッシュに近づいてきた。

「あ、あ、ナマエちゃん」
「なに?」

開いたドアの前に立ってこちらを見下ろすのは、さっきまで妄想の中で腰を振っていたナマエちゃんだった。
ぼくは頭が真っ白になった。

「ち、ちがう…ごめん…その」

さっきまで布団に入っていたせいかふわふわの髪の毛は少し乱れていた。汚らしく勃ち上がったソレに視線をやったまま動こうとしないナマエちゃんに、僕は何も言えずもじもじしていた。普段は恥ずかしがって触ることすらできないのに、彼女は寝ぼけているのだろうか。怖がらせてしまったかもしれない。僕は足首で丸まっていた下着とスエットを履き直そうとした。
しかし、彼女の手がそれを制した。

「え、あ、なにを」

彼女はトイレの床に這いつくばると僕の股間に顔を近づけた。
息が掛かるほどの近さで色々な角度からソレを眺め、閉じようとする両脚に体ごと割って入った。

「十四松くんは」
「ひっ…!はい」
「何考えてここをこんなにしたの?」

僕の太ももの間に挟まるナマエちゃんという図はなかなかクるものがあった。この状況にも関わらず、驚きで萎みかけていた竿が再び固くなる。

「ねぇ、何考えて勃起したのか聞いてるんだけど」

ナマエちゃんの口から出た勃起という単語に動揺した。そんな言葉知らなかったと言われても納得するくらいに、ナマエちゃんは綺麗で初心で恥ずかしがり屋さんのはずだった。

「十四松くん」

赤黒く勃起したソレを人差し指で突きながら、黒目がちな大きな瞳がこちらに向いた。

「えっと、その、ナマエちゃんが」
「私が?」
「僕と…えっちなことしてるのを、考えて…」
「えっちなことって」

こういうこと?
真っ白で華奢な手が、僕の股間に伸びた。体温の低い細い指がばらばらと動き根元から先へすべっていく。

「こうしてほしかったの?」
「あっ!ナマエちゃ…こんなの、触っちゃだめ…!」

僕はまだ夢を見ているのだろうか。目の前にいる現実のはずの彼女は、僕の頭の中よりも何倍もいやらしくて挑発的だった。

「…十四松くん、私に気を使ってるのか知らないけどいつもつまらないセックスしかしないんだもの」
「え?」
「気づいてないと思うけど、私、あなたが寝た後毎晩オナニーしてるの」

僕のソレをしごく手は一層早くなる。

「十四松くんの大きくて固いおちんちんが身体に入ってくるの想像して、ぐしょぐしょに濡らしてるの。ねぇ、引いた?」

頭がショートしそうだった。

ナマエちゃんは見せつけるように寝巻きのボタンをひとつ、またひとつと外し、僕に見えるように肌蹴させた。下着を着けていない素肌は蛍光灯の明かりに照らされ眩しいくらいだ。ちらちらと見える桜色の乳首に、ごくりと喉が鳴る。たまらず二つの膨らみに手を伸ばしたところで、ナマエちゃんが立ち上がった。そして「パンツを脱がせて」と。
言い終わる前に手をかけていた。
ズボンと一緒に下まで下げると、片足ずつ丁寧に脱いでいく。その焦らすような仕草に、ここが寝室だったら飛び掛かっていただろうと思った。

「我慢できなくて、一人でちょっと弄ってたの」

言いながら、僕の太ももに跨った。

「でも、まだ足りないかもしれないから慣らすね」

あのナマエちゃんが。ドラマのキスシーンで頬を染めていたナマエちゃんが。僕の膝に跨って、自分のソコに指を出し入れしている。これは妄想なんかじゃなく現実だ。さっきから痛いほど自分の脚をつねっている。もし悪い夢なら覚めないでほしい。
見せつけるように、細い指が中に入ったり出たりを繰り返す。見られて興奮するのか、彼女ははぁはぁと息を乱している。
体液は溢れて太ももを伝い、便座まで濡らした。

「ねぇもういいかなぁ?」

真っ赤に充血した割れ目が指で広げられる。物欲しそうにうねるソコは、早く早くと僕を誘っているように見えた。

「じゅうしまつくん、確認して」
「いいよ」

言うが早いか、僕は跨った細い腰を掴んで一気に下に下ろした。粘膜と粘膜が擦れる音がして、「ひっ」というナマエちゃんの悲鳴のような声が鼓膜を震わせる。

「やだ、おっきい、っあ…!」

嫌だというわりに、涙を流して腰を振る彼女は喜んでいるようにしか見えなかった。根元から絞りとるような腰の動きに、さっきからずっと発射を我慢してる僕の僕はすぐに悲鳴をあげそうだ。

「も、ダメ…出ちゃう」
「っん、一滴残らず注いでね」
「ナマエちゃん…!」

出す寸前吸われた唇はいつものナマエちゃんの味で、やっぱりこれは本物のナマエちゃんで、現実なんだと知った。


160319
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