気づいたら目の前にミョウジさんがいた。それもただいるってだけじゃなく、俺の首に遠慮がちに腕まで回している。どういうことだ。ミョウジさんはいやに扇情的な表情で目なんか潤んで、今にもなみだの粒が頬を伝いそうだった。着ている制服は脱げかけで、ブラジャーの紐が肩からずり落ちそうに危うく揺れている。ぷっくり赤く熟れた唇が小さく動いて「若松くん」と呼んだ。俺はあーだか、おーだか、よくわからない相槌を打つと、導かれるようにスカートの中へと手を伸ばした。レースと細っこい紐でできた、異様に面積の小さい下着にギョッとしたが、最近の女子はこんなものなのだろうか。大人しいとばかり思っていたミョウジさんの大胆な一面に、これはこれで悪くない、と納得する俺は単純なのかもしれない。脚をもじもじと擦り合わせて、ミョウジさんが俺の首筋に吸い付いた。堪らずに下着の中に指を挿し入れる。ぬるりとした感覚の後、あっ、と鼻にかかった高い声が漏れた。「…濡れてる」静かな部屋に、くちゅりくちゅりといやらしい音が響く。頭がおかしくなりそうだ。「指、きもちい…」苦しそうに呼吸を繰り返すミョウジさん。ぼやぼやと働かない頭とは反対に、右手は下着の中で忙しく動いている。やはり男の本能には抗えない。思う存分かき回して、中もだいぶほぐれてきた。この辺のあんばいは恥ずかしながらよく分からないが、指を楽々と咥え込む様子を見るに、きっと平気だろう。何より、俺の限界が近い。指を引き抜き、下着を足首まで下ろす。さて、と自分のベルトに手を伸ばすと、それより速くミョウジさんがベルトをかちゃかちゃといわせ始めた。ボクサーパンツには大きな染みが付いている。ミョウジさんの真っ白い華奢な手が、パンツのゴムを下げる。勢いよく飛び出した俺の俺をミョウジさんはまじまじと眺めて、上目遣いでふふ、と笑った。めちゃくちゃ恥ずかしい。「触ってもいい?」そう聞くミョウジさんに俺は「お、お願いします…」と俯くしかない。なんとも情けない話だが、俺はいっぱいいっぱいだった。赤黒く脈打つそれに細い指が絡みつくように上下する。気を張ってないと声が出てしまいそうだ。ミョウジさんは手を止めると、スカートを捲り上げて俺の腰に跨がった。粘膜が触れ合って粘着質な音が響く。いやらしくうねるミョウジさんの中に、俺のが包まれて、そして、











気づいたら目の前は自分の部屋の天井だった。汗で張り付いたTシャツが気持ち悪い。しかしそれ以上に気持ち悪いのが下着の中である。

「まじかよ…」

まさかこの歳で夢精するとは思わなかった。このところ部活が忙しかったとはいえ、こまめに抜いていたつもりだ。いくら夢の中のミョウジさんが可愛くてエロかったからって、これはない。痛む頭を抑えて、洗面所に立ち上がる。
汚れた下着を洗いながら、とてつもなく虚しい気持ちが襲ってきた。そもそもなぜミョウジさんなんだ。話したのだって、思い出せる限りただの一度もない。たしかに授業中にこっそりと透けブラを盗み見ていたのは認めよう。だが俺の好みのタイプは気兼ねなく馬鹿話ができるような明るい子で、どちらかと言うともの静かでおしとやかなミョウジさんとは正反対だ。

「実は好きだったとか…?」

わからない。ただのクラスメイトのミョウジさんがなぜ。

「何ブツブツ言ってんの。キモ」

振り返ると寝起きですごい顔をした青峰がいた。いつも寝坊のくせになんで今日に限って早起きなんだ。俺は濡れたパンツをポケットに突っ込んで「な、なんでもねぇし…」と言うしかなかった。つうかキモくねぇし。




130319
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