ベッドの上で正座する私。と、私に向かい合うように座り不機嫌顔の青峰。
男女がベッドの上でふたりっきり。やることなんてひとつしかない。

「どうしてもするの?」
「どうしても」
「うぅ…」
「オラ、いいからさっさと脱げよ」
「セーター引っ張らないでー!伸びる!」
「じゃあ早く自分で脱げ」

私は渋々上に着てたイーストボーイのセーターを脱いだ。

「……」

視線が痛い。ガン見だ。ものすごいガン見されてる。
これどこまで自分で脱げばいいんだろう。
とりあえず恥ずかしくないぎりぎりの所まで脱ごうか。
しかしリボンを外して、ブラウスの第三ボタンに手をかけたところで青峰の手が私の胸をわし掴んだ。

「っぎゃ!!急に触んないでよ!」
「んだよ色気ねぇ」
「色気ない触り方するからでしょ!」
「…お前下着エロいな」
「デリカシー!!!」

大声を出しすぎたせいでぜいぜいする。
こんな密室で、しかもベッドの上で息を荒げているというのに、全然いやらしい雰囲気じゃない。そういう雰囲気を望んでるかといえばそうでもないけど、これはなんか違う気がする。

「…やっぱやだ。恥ずかしいよ。今日はやめよう」
「あぁ?何言ってんだ今更」
「今更も何もないよ。無理だって」
「オレのほう無理だよ、限界なんだからな色々と」
「色々ってなによ」
「色々は…アレだろ、色々だろ」
「なにちょっと照れてんのきもい!」
「きもくねーよふざけんな!いいからヤラせろ!」
「うっわ最低!!私のカラダが目当てだったのね!」
「身体目当てならもっとデカイ乳探すわ!中途半端な胸しやがって!」
「平均サイズと言っ……痛っ!だからわし掴みは痛いってば!」
「あーもうお前いっかい黙れ」

そう言って乱暴に唇を合わせるから、がつんと歯が当たって泣きそうなくらい痛かった。でもそれと同時に泣きそうなくらいぞくぞくした。なんで私こんなやつ好きなんだろう。すっごい悔しい。





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あおみねキス下手そうっていう話
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