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:)番外編 無意識のトクベツ 2
2016/02/26
すっかり日が落ちた戌ノ刻
仕事終わりに一条家に立ち寄った千里の目に、居間の床に所狭しと並んだ箱が目に入った
「何これ?すごい量じゃん」
何?と聞いたものの、今日の日にちを思い浮かべて箱の中を想像する
「これだけあると臭い・・・」
室内に充満する甘い香りに思わず顔を歪めると、カウチの上で寝そべる拓麻に気が付いた
「で、一条さん何してんの?」
ぐったりという表現がしっくりくるほど、憔悴した拓麻の姿
髪は乱れ、目の下にクマを作り、カウチに寝そべっていたことで、服に大きな皺を作る
「何?昼中チョコの受け取り?」
その姿から想像出来たそれ
「カッコイイオンゾウシハコマルネー」
労るわけでなく、慰めるわけでもなく、
千里はどこか楽しそうにそう言うと、拓麻の周りに積まれた一つの箱を手に取った
「人間はこっちの事情お構い無しだからさ、」
吸血鬼とは活動時間が異なる人間
拓麻が吸血鬼だと知らない人間達は、自分達の活動時間にショコラを持っておしかけてきた
「・・・・・・・それで一条さん、」
千里は手にした一つの箱の封を開ける
ハート型でloveと書かれたベタなショコラに眉を寄せると、
「これ、ひなに見られても大丈夫なわけ?」
本命としか思えない手の凝ったラッピングの箱達に向けて指を指した
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
まだ続く(笑)
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