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:)番外編 無意識のトクベツ
2016/02/25




――――ピンポーン



数分置きになる一条家の屋敷のチャイム

聖ショコラトルデーの朝から始まったそれは、太陽が傾きかけても終わらないでいた



「あの、拓麻・・・・・・様」


メイドに呼び出される回数に自室に帰ることを諦め、居間にいる拓麻の元に、再びメイドからの呼び出し


「今度は誰っ!?」


眠ることが出来ない苛立ちに、居間に積まれた箱から香る甘い香り

嫌な相乗効果を上げていくそれに、メイドに応える拓麻の声に怒りが混ざった


「〇〇家のお嬢様が・・・・・・」


要件を聞かなくても、何の用で来たのか明白なそれ

メイドに名前だけ聞くと、床に苛立ちをぶつける様に靴を鳴らし、自身の髪をくしゃりと握りながら立ち上がった


「あぁぁっ!もうっ!!」


一瞬声になる苛立ち

けれど、

居間のドアを開けエントランスへ着く頃には、いつも通り人当たりの良い笑顔を拓麻は浮かべた








「久しぶりですね、」


一条家と取引のある、人間界の企業の令嬢に向けて拓麻が微笑むと、大きな好意の詰まったショコラを拓麻に向けて差し出す


「拓麻さん、これを受け取ってください」


そんな言葉と共に、俯き加減でショコラを差し出す令嬢にキラキラとした笑顔を向け、


「僕に?ありがとう」


当たり障りなく、ありきたりな言葉でショコラを受け取る



―――もう、うんざりだ



今日、何度目かわからないショコラのプレゼント

一条家が経営する企業のことを考えると、取引先の令嬢からのショコラは蔑ろには出来ない



―――正直、いらないなぁ



笑顔で受取りつつも、心の中で吐く悪態

そのやりとりが昼を超え、夕を超え、夜に差し掛かる頃、

拓麻にとって耐え難いことが起こった―――・・・



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


upした拓麻さんのお話につながるお話(笑)
時系列でいうとこっちが先ですね。
そしてまだ続きます。






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