世界観 | ナノ

近代魔術 


 近代魔術とは、自分の力のみで行使する技術である。

 近代魔術では自身の体内に溜めた魔力を操る。そのため、生まれつき体内にある魔力量と魔法の強さが比例する。
 魔力の貯蔵量が高い者は発動できる術の回数が増え、術の威力も高くなる。魔力は術を使うたびに減り、精神的かつ肉体的に休息をとることで回復する。体内の魔力をいかに効率的に運用するかという発想が大切となる。

・発動原理
 呪文や陣(図形、幾何学模様など)を媒介にして世界に干渉し、物理法則を書き換える。

・魔道具の役割
@術行使の補助(増幅装置あるいは制御装置、または放たれた術が術者傷つけることを防止するためのもの)
Aそれ自体が魔術を発する(あらかじめ魔術が付与されている)これによって、術の使えない者、修行の足りない者でも術を活用することができる。

・属性
 近代魔術は己の内にある魔力を活用する。そして、その魔力は、術者の性格や資質――個性により、それぞれ違う属性を持つ。
 属性に対する考え方は流派によって異なる。同じ自然魔術師同士でも、四大元素しか認めない流派もあれば、テロルのように「四大元素+氷雷光闇」の八属性を認める流派もある。氷を独立した属性とするか、水属性とするかで議論が起こったりもする。陰陽五行の考え方をする流派では、属性は水金火木土の五つ。このように、捉え方によってバラバラである。
 得意属性や苦手属性は、性格や本人の生まれつきの資質によって左右される。例えばテロルは水や氷、光属性の魔術が苦手である。ただし、「苦手だから使えない」ではなく「なんとなく使いにくい」程度である。

・世間的な魔法の捉え方(一般の人からの知識、意識など)
 「基本的に修行次第で誰にでも習得可能なスキル、ただし向き不向きあり」という認識。
 テロルたちの時代には魔法使いを養成するための機関(学校)が魔法使いたちの手によって各地に整備されている。魔法は学問。全ての魔法使いになろうとする者には魔法使いとしての教育を受ける権利がある。魔法使いは人権も認められているので迫害されることもなく、知識階級としてある程度の社会的地位も認められている。
 また、一般にも魔力のこもった魔道具は出回っていて、生活するのになくてはならない便利な力という感じ。

・メリット
@「古代魔法」よりも発動までの時間が短いこと、より体系化されているので学びやすいこと。大戦の頃、戦場では手早く高威力の魔法を使う必要があった。また、戦力となる魔法使いを早急かつ効率的に育て上げる必要があった。だから「近代魔術」は速くて教育が体系化されている。
A向き、不向きはあるが、誰にでも使えること。

・デメリット
@危険なこと。周囲の魔力を使えず、完全に術者当人の魔力量と技量に委ねられるために、消耗が激しい。また、発動までの手順を省略したために、術が暴発する危険性が高くなってしまった。慧羽の無詠唱スキルがその最たる例。
A術の威力が術者の力量に左右されてしまうこと。例えば、駆け出し術者が使う術と、ベテラン術者が使う術とでは、威力に差が出てしまう。


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