「アンタも行くのね」
「ああ」
「……」
当たり前、と言えば当たり前だ。
廃刀令が施行され、これ以上剣を振るおうものなら私達は犯罪者。
そうなれば私達は本当にもう行き場がなくなってしまう。
――それにそうなってまで剣を振るう事を、あの人は望んでいないと思うから。
「ヅラ怒るだろうね。『貴様それでも志士か!!』とかって」
「アイツクソ真面目だからなァ」
「いいの?言って行かなくて」
「行かねーよ、めんどくせェ」
「…ねえ」
「あ?」
「これからどうするの?」
本人には悪いが、この人が剣以外の道で生きていく事ができる様には見えない。
――私も人のことは言えないけれど。
「聞いてどうすんだよ」
「参考にしようと思って」
「女は結婚して所帯持つのが一番だろーが」
「無理よ、私には。……それ位分かるでしょうアンタにも」
それにはもうこの手は、紅く染まり過ぎている。
間違っても幸せどころか極楽にだっていけないだろう。
「――そうかよ」
「で、話逸れたけど、どうするの?」
「……俺ァその辺で適当にのんびりしてるさ」
実にらしい言葉を残してじゃあな、と彼は片手を上げ去ろうとする。
「じゃあさ」
少し離れた銀時に声を高くして言う。
「今度会う時は、みんなで会えるといいね」
そんな事は無理だと、
分かってはいながら。
「……そうだな」
願わずにはいられない
仲間なのにこのまま袂を分かつなんて、
――信じたくはないもの
いつか、平和な未来で
銀時だってそう願ってるっていうのは、私の勘違いなんかじゃないよね?
-END-
THANKS たとえば僕が