願いが募れば本人に届くような、そんな何か
「お前の”病気”は治らない。故に治しようがない。だが、治す術を見つけよう。その”身体”なら死なないから大丈夫だろ」
えぇ、そうです。何故かこの身体は朽ちないのです。あたしはこの身体を恨みます。
朽ちないと言っても、どこぞの小説のように痛みもあるし苦しいと感じる。まぁ、これがなかったら人間と思われないからありがたいのですかね?
……早く治したいな。
‥‥‥
僕があの人に生きて欲しい理由
それは、おねぇちゃんだから。
おねぇちゃんはいつもこう言ってる。
「おねーちゃんのお見舞いに来ても面白くないよ」
どんなに面白くなくても、僕はおねぇちゃんに生きてて欲しいんだ。
だって、たった1人の姉弟だから───
俺が彼女に生きて欲しい理由は─
幼なじみだから。
あいつはいつも俺が来たら言う言葉がある。………いや、きっと家族がお見舞いに来てもこう言うだろう。
「あたしは死なないんだからお見舞い来ても意味ないよ」
確かに意味はないのかもしれない。
だが、それでもお前には生きてて欲しいんだ。
それで、色んなことを教えてやるんだ。
学校や、授業や、遊びや……逝く前に色々教えてやっからそれから逝けよ。
だから、そんな寂しそうな顔をしないで、そんな言葉を出すなよ………バカたれ……
理由は様々。
この物語は一部にしか過ぎない。何せ、全てを伝えると幾らでも出てきて、話が終わらない。
神様、なんているか分からないけれど、その願いが実を実り、また誰かがその実のために願えば実は大きくなる。
寿命とかそんなのって、一番は本人の意思だけど、二番目はその《願い》だと思いたいな。
2013*7*21