第6話  戦国最強




「そういや、家康」
「なんだ?」
「アンタは家族が欲しくないのか?」



 家康は茶を飲み、湯飲みを縁側に置く。しばらく考えた後に口を開いた。



「独眼竜、ワシは家族が欲しくないわけではない。ただ、戸惑っているのだ」
「戸惑う?そういう考えをしたことがないからか?」
「それもあるが、もう一つあるんだ」


 家康は空を見上げた。そんな家康を見て疑問が膨らむばかりの政宗。


「……昔、ワシがまだ幼いときだ。三成もまだ幼少のときに、二人で青い鳥を見たんだ」
「blue bird?」
「あぁ。その時の三成ときたらさ、珍しいから捕まえたら秀吉公にあげるぞって言って青い鳥を追いかけたんだ。物凄く疲れたが、楽しかったなぁ」
「話が違う方向行ってるぞ……あんたの思い出話はいいから早く理由言え」
「あぁ、そうだった。その時にな」
「………………!!!」


 急に忠勝が音を発したので二人とも驚いて振り向いた。そして、家康は理解した。


「あ!もう夕刻か!?」
「……!!!!」
「すまん、ありがとう、忠勝。独眼竜、ワシはそろそろ帰るよ」


 そう言って家康は忠勝の背に飛び乗った。政宗は慌てて裸足で家康に近寄る。


「wait!!話の続きは!?」
「また今度だ!それではな!」


 政宗をおき、家康と忠勝は空に消えた。唖然とする政宗はムスッと機嫌を悪くした。


「shit!!!話の続きが気になって眠れなかったら書状書いてやる!」
「何と書くのですか?」
「もう来るなって書いてやる」
「それでも来そうなのがあの男だと思いますが」
「うっせ!きたらきたでもてなさなかったらいいじゃねぇか!」
「…………(子供だなぁ。政宗様らしいが……)」



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