第2話  徳川家康





 着物から武将装束に着替える。戦しに行くわけではないが、家康は必ず外に出るときは武将装束をする。



 理由は2つ。
 戦がなくなったとしても、命を狙われないことはない。天下泰平したあとでも何度も命を狙われた経験がある。気が抜けない日々だ。


 もう一つは、独眼竜という者に会うから。どういう意味かは後ほど。




「家康様、よろしいでしょうか」
「ん?構わないが、どうした?」



 家臣の一人が家康を訪ねにきた。家康は装束を着ながら話を聞くことにした。
 家臣は障子を開け、深々と頭を下げて言った。



「失礼致します。……これからどちらに行かれるのですか?」
「独眼竜のところだ。すまないが、留守の間頼む。忠勝と夕刻には帰る」
「左様ですか。では、必ず夕刻には帰って頂きたく存じます。あまり遅すぎると、あの方達が機嫌を損ねてしまいます故」



 あの方?誰が?

 考えていると、シュゴーという音が聞こえた。飛びながら忠勝が迎えに着たのだ。家康は慌てて着替え返事をする。



「よく分からないが、分かった!行ってくる!」




 タッタッと走り、忠勝の後ろに飛び乗った。そして、家康と忠勝は空に消えていった。



戻るか?
それとも
目次に行くか?


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