第16話 豊臣秀吉
彼らは歩き続けたが結局青い鳥は見つけられなかった。同じ場所に行ってみるものの何処にも青い鳥の姿はなかった。
「うーん……何処にもいないな…」
「貴様があのとき帰ろうなど言わなければ……」
「………しかし、昨日はワシも佐吉も疲れていた。あれ以上進んでいればきっと秀吉公と半兵衛殿から更に怒られて心配して……」
「……………」
竹千代が言うことは確かだったことを佐吉は分かっていた。今日も無理言って外出を許可してもらい、最低限の兵だけを連れて動いている。
竹千代は忠勝を、佐吉は黒田官兵衛を(嫌々で)連れて行っている。
二人の我が儘を聞き入れて許可してもらった秀吉に感謝し、悔いながら佐吉は心を痛めながら歩いていた。
だからこそ、今日こそ捕まえようと思いながら竹千代と共に歩いていたのだ。
竹千代よりも佐吉のほうがガックリと悔しいんでいた。
「これでは秀吉様に申し訳がたたないだろうがぁ………」
「しかしなぁ……ここまで歩いていないと……」
うーん、と竹千代が悩んでいるとガサッと物陰から音が聞こえた。竹千代は驚いてそちらを向き、佐吉は小刀を懐から取り出そうと身構える。
「あいたた……まさかの転けるとは思わなかった……」
女の声だった。大人にしてはやけに幼く聞こえるため、子供か、と竹千代は思ったが、佐吉に関しては気付いていないのか、まだ身構えていた。
ふぅ、と声を発した後に草がガサガサと音を立て始める。そして、草影から現れたものに二人な驚く。
そこに現れたのは、青い鳥と同じ色をしたものだったからだ。
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