私が目を覚ました場所は真っ白な天井の場所だった。
 何でこんなところにいるのかは全く検討がつかなかった。何をしたのかも分からない。

 それに、ベットの周りにいる人たちも知らない人たち。誰?この人たちは?








「日菜!」







 ヒナってなに?動物の名前?物の名前?
 そんなことを考えながら目を開ける。第一に見えたのは妙な銀髪な前髪の人の顔。どこか不安そうな、そんな顔で私をみる。
 そして、第二に見えたのは同じ銀髪の髪の先だけが天パの人。眼鏡がしっくりくる。







「おはよう、気分はどうだい?」
「……………」








 正直、気分は最悪だった。頭は痛くて何故かお腹の辺りが妙に痛かった。喋るのも嫌になるほどに不機嫌真っ盛り。自分でもよく分かっていない。何故不機嫌なのかどうかが。




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 そんな彼女とはつゆ知らず、彼らは話続けたが、当の本人は聞いていなかった。聞いていない一番の理由は皆「見知らぬ人」だからだ。
 日菜が外を眺めていると叫び声が聞こえた。窓を開けていたため、更に煩く聞こえる。慶次達は「あぁ、やっぱり叫んだ……」と少し冷や汗を流す。日菜自身は首を傾げて何が起こっているのか聞こうと慶次の方を向くと、慶次はこちらに気付き説明をする。








「あはは、ごめんね?さっき病室から飛び出た人がいたでしょ?その子が屋上で叫んでいるだけだから気にしなくてもいいよ」
「………?はい」








 何故気にしなくていいのかよく分からなかった日菜だが、一応肯定をする。







「ふむ。半兵衛よ、大山を外に出しても大丈夫か?」
「ん、そうだね。記憶喪失以外は特に異常は見られないし、外の出入りは自由にしてもいいよ」
「そうか。大山、少しよいか?」
「……………」








 自分のことか、と少し気付くのが遅くなるものの、日菜は秀吉の方を向く。







「起きてすぐに頼み事をするが、大山しか出来ないことだ。すまぬが、屋上に行っている三成の所に行ってはもらえぬか」
「みつなり?」
「うむ。今も叫んでいる者だ」
「私と関わりがあった人なんですか?」
「かなりね」








 半兵衛が秀吉の間に入って日菜に言う。日菜は、うーん、と唸るように考える。
 だが、特にすることもないのでその頼み事を受け入れた。







「感謝する」
「いえ。………何となく気になる人なので受けたまでです」
「そうか」
「三成、今の言葉聞いてたら叫ぶのをやめてるよね」
「そうだな」








 秀吉と慶次がそんな会話をしながら笑っていた。すると、車椅子に乗っている吉継が日菜に声を掛けた。







「日菜よ、我の頼みも聞いてくれぬか?」
「………何ですか?」
「何、大したことではない。太閤の頼みついででよい」








 我も共に行かせてくれぬか?




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それとも
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