彼と彼女が会ったのは数年前に遡る。

 半兵衛の誘いで飲み会をしようということで、彼らの”いつもの”メンバーが酒屋に集まった。集まったのは竹中半兵衛を筆頭に、豊臣秀吉・前田慶次、そして、石田三成。そして、もう1人、半兵衛の知り合いが入った。それが日菜である。








「おぉ!半兵衛、そこの可愛い子は誰なんだい?」
「慶次くん、少しは我慢というものを覚えたまえ。日菜くん、自己紹介をお願いね」
「あ、はい。大山 日菜と申します。今日は半兵衛先生に誘われて来ました。よろしくお願いします」
「先生って呼ぶことはぁー……看護士さんかい?」
「いえ、半兵衛先生と同じ病院の事務をしているんです」








 そうなんだぁ!、と慶次が言った後に秀吉、その後ろに三成が日菜の前に来た。







「我は豊臣 秀吉。大山、半兵衛がいつも世話になっている」
「まるで僕の親みたいな言い方になってるよ、秀吉」








 半兵衛はカラカラと笑う。日菜は「よろしくお願いします」と言って秀吉と握手をした。
 大きい手に少し感動して「とっても大きい手なんですね」と秀吉の手を握りながら顔と手を交互に見ていると、「よく言われる」と秀吉は微笑んだ。








「俺、前田 慶次ってんだ!よろしくね、日菜ちゃん!」
「はい、よろしくお願いします」







 次に一番最初に話しかけてくれた慶次と握手をする。日菜の中で慶次の第一印象は長いポニーテールだった。
 彼には羽飾りがよく似合いそう、とそんなことを思いながら彼の手を離した。







「最後は三成くんだね」
「はい」







 最後に三成が日菜の前にやってきた。前髪が異様に何かに似ていて気になったが、ふと思い立ったように三成を見て言う。








「あっ!ハシビロコウの嘴!」
「?」
「ぶふっ…………」
「半兵衛、あまり笑ってやるな…」
「ま、まぁ、三成の第一印象だよねっ!仕方ないけど、真っ先に言っちゃうんだ……」








 半兵衛はまさか単刀直入に三成を見て「ハシビロコウの嘴!」と日菜が言ってしまったので笑いで吹き出しそうになりながら、堪えていた。が、言われた本人は気付いてない様子だった。
 彼女自身、悪気があって言ったわけではないが、秀吉と慶次は少し苦笑した。







「吉継くんがこの場にいたら僕より先に笑っていただろうね」
「そうだな」



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