私はそれをみた瞬間にあの輩を追いかけた。あの足の遅さならすぐに追いつくと思ったから。
 案の定、さっきの男を捕獲し、日菜のところに行くと人が群がっていた。
 私はその中に入っていき、適当な奴に男を預けた。地面に男をひれ伏させろ、と言ってから。








「日菜…………!!」
「救急車は呼びました。後は止血をすれば……」
「日菜は!日菜は助かるか!?助かると言え!!」








 頭の中は日菜のことでいっぱいだった。助かるか助からないか、それが聞きたかった。助かってほしいというのを強く押しながら。
 しかし、救急車を呼んでくれた奴は胸ぐらを掴まれても私を見ながら言う。








「それは彼女の意思次第だ!僕はただ通りすがった看護士でしかない!もうすぐ救急車がくる。その時に聞け!!そして、貴方はまず落ち着け!落ち着かなければ、助かる命も助からんだろ!!!止血をさせろ!!」








 この男の言い分はもっともだった。私は男の胸ぐらを離し、男は布を取り出し、刺されたところを押さえた。
 ナイフは外さないのかと問うと、無闇に外せば多量出血する恐れがある、と言われた。








「………貴方の恋人ですか?」
「あぁ。…結婚する予定だ」
「そう、ですか。僕の経験から言わせてもらいますが……………後頭部から硬い地面に叩きつけられ、更にショックが大きいと……」








 記憶喪失する可能性が大きいです




前に戻る?
それとも
目次に戻る?


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -