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 他にもいろいろとやられて、それ以来鶴の字の家には行っていない。
 今回も本当に鶴の字が寝るとは思っていなかった。あんな野郎共相手も結構日常茶飯事のはずだが、それでも神経をすり減らしているのだろうか。









「鶴の字、無理して俺らに着いてきてんのかもな」
「だったらその小娘は来ないであろうが。嫌になったら当にここにおらぬ。我が儘だからな」
「言っておくが、アンタのほうが我が儘だからな?自覚ねぇのか?」
「我は餅と日輪を愛でておるだけぞ」









 元就が餅饅頭を食いながら話している間に、鶴の字の家に到着した。相変わらずのでかさだ。
 俺と元就は門前で立ち止まった。こっから入ると色々と厄介事が起こりそうだからだ。








「おい、鶴の字、起きろよ」
「………宵闇の羽の方ぁ〜…ふふ……」
「何言ってんだ……」









 何度も揺らして声をかけてみるが、起きる気配がしなかった。仕方ない、とため息をこぼしインターホンを押す。


《頼むから黒髪は出てくるなよ……》


 インターホンを押すと、急に扉が開いた。まさかの対応にどうすればいいのか分からなかったが、インターホンから「中にお入りください」と言われた。
 多分、このインターホンのカメラから鶴の字が見えたせいだろうが、どこのどいつが鶴の字運んでいるのか警戒しねぇもんなんだろうか………








「………入るか」
「貴様1人で行けばよかろうて」
「この餅饅頭苺ver.が目に入らぬかー(棒読み)」
「行くか」









 今度は餅饅頭苺ver.を片手に元就はずかずかと家に入る。さっきの餅饅頭はもう食べ終えたらしい。
 元就、プライドの高いアンタがそれでいいのか……

 少し元就を哀れむ俺だった。



Uターンすっか?
こちらが嫌でしたら
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