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 小学5年の夏、この時には既に俺らは3人で共に行動することが多かった。
 学校のプールに行ったり、俺の家族と共に海に行ったり、水族館に行ったり…………学校はもちろん、プライベートでも結構一緒なのが普通だったりした。

 そんな中で鶴の字の家に初めて行ったときだ。









「「………………」」
「どうしたのですか?早く入りましょうよ!」









 あまりのでかさに俺と元就は言葉を失った。
 お城のような白い家で、例えるなら、そう、シンデレラ城(とまではいかない広さだが、当時の俺はそう思った)








「元就…………おれ、こんなでかくて真っ白な家、テレビでしか見たことねぇよ……」
「………………ここは日本よな?」
「……………………確かそのはず…」
「もー!!お二人さん早く来てくださいー!!!」








 元就も驚いて冗談を言うほど、それはあまりに綺麗な家。テレビとかでみる外国の家とそっくり。
 だが、そこに鶴の字が住んでると思うとしっくりしてしまった。鶴の字は、俺らに会うまで真っ白でお綺麗なお嬢さんだったから。
 喧嘩など以ての外(もってのほか)、誰かと遊ぶことも知らない、そんな女の子だったのだ。


 家に入ると、そこは本当にお城ではないかのようにレッドカーペットが敷かれており、高そうな花瓶や絵………様々なものが置いてあった。








「なんだ?これ」







 思わず台に乗っている花瓶が気になり手を伸ばすと










「汚い手でさわるな!!!」
「いっ」







 いきなり後ろからムチのように痛い感覚がきた。
 なんだ?と思い振り向くと、黒服に身を纏った男が一人。髪までもが真っ黒で長く、険しい顔をしていた。

 コイツは鶴の字の家のボディーガードの一人。俺はコイツが大嫌いだ。


 鶴の字が小学3年のときに転校してきたときにコイツはいて、いつも鶴の字にまとわりついていた。
 おかげで5年にあがるまであまり話は出来なかった。コイツのせいで……








「……手洗えばいいのかよ」
「おまえ等はここに入ること自体あり得ないことなのだ。姫御前に感謝するんだな」
「……………海賊さん、元就さん、こっちに来てください。………その人は放っておいて大丈夫ですから」








 最後のほうは小さく俺らに言って俺らは鶴の字の部屋に移動した。
 あの黒髪の方をふいに見ると、不気味に笑っていた。



 ………気味が悪かった。



Uターンすっか?
こちらが嫌でしたら
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