3*3





 一方、ここは長曾我部家。元親の家族は、元親を含めて5人家族だ。
 そんな中、元親が夜の7時を過ぎても帰って来ないことに不思議に思っていた。心配になり、母は近所や元親の友達の家に電話したりしたが、やはりどこにもいなかった。

 すると、突然訪問のチャイムが鳴る。双子の家康と三成は「もとちかっ!」と同時に言う。2人はダッシュで玄関のドアにまっしぐら。








「もとちかっ、おかえ………」
「………じゃない」








 ドアを開けて元親だと思った2人は少し落ち込んだ。
 何故なら、そこに居たのは元親ではなく、違う男がいたからだ。
 すると、双子を覆うように影が覆った。後ろを振り向けば父が来ていたのだ。








「お、弘(ひろ)じゃん。どうした?」
「弘ではない。今は直弥(なおや)と言っておろうが…。そちの息子、長男は帰って来てるか?」
「いや、帰って来てねぇよ。……まさか、元就もか?」








 父に弘と呼ばれた男はその答えに頷く。双子は間に挟まれたままその話を聞く。






「”もとなり”ってもとちかの友のか?父さん」
「ん、あぁ、そうだよ。この前来てた兄ちゃんさ」
「つり目のおかし好きな人?」
「ははっ、そうそう。母さんのマカロン全部食っちまった人だ」








 家康と三成が交互に質問しながら友和は笑いながら答える。家康がドアを支えていたのを変わってやり、双子に「部屋に戻っててくれ」と言う。家康と三成はコクリと頭をあげなが頷き、2人は素直に部屋に戻る。


 フリをした。








「元就と元親が戻ってないとはな。何か嫌な予感しかしないんだが…」
「その予感は当たってるやもな」
「は?何で分かるんだよ」







 直弥と呼べと言う男は余所を向き、誰かを呼ぶように首で「来い」と言う。
 そこに現れたのは執事の格好をしたお爺さんだった。








「………誰?」
「河野家の執事、と言ったら分かるか?」
「河野家……………」







 友和は少し思い出すようにする。そして何か思い出したが、今まで家族に見せてないような怒りの表情をお爺さんに向け、胸ぐらを掴んだ。
 直弥はそれを静かに見ていた。








「おい……………またか?今度はうちのヤツと直弥のヤツに何をしやがった?」
「………申し訳ございません…」
「謝るより先に言うことがあるだろ!!またか!?何でアンタとこはうちの子に、直弥の子に手を出したがる!!!言えや!!」








 父親が怒鳴ったことはあまりなかったことなので、ビクつかせる家康と三成。彼らは本棚の後ろでそれを聞いていた。








「またって……どういうことだ…?」
「もとちかの………左目……」
「え?」







 三成が小声で言ったため、家康は聞こうと振り向くが、三成は小刻みに震えていた。
 三成は一度唇を噛み、もう一度声を発する。








「もとちかの左目、その”コウノケ”って所で失った………というのを、話してた……」
「どういうこと…?」
「もとちかは転んで怪我をしたと嘘をついたらしいけど、本当は、”コウノケ”で失った、らしい……わたしはそれを聞いてしまった……」










 三成はギュッと家康の服を掴んで震えを抑えようとするが、家康にはちゃんとそれが伝わった。








「コウノケって……さっき父さん達が言っていたことか?」
「分からない………だけど、その時のもとちか、何故か謝っ……てた…。それで、父上、怒ってた………」
「どういうことだ……?ワシにはサッパリ分からないんだが……」
「だから!左目を失ったのは、その、……”コウノケ”の人のせいなのにもとちかは…………その人のせいにしなかった………」
「……………」
「私が見たかぎり、”コウノケ”を《かばっている》と言った方があってる………気がする。しょ、正直に言わなかったから、父上は怒った……」









 家康は全てを理解したわけではないが、所々は分かって黙っていた。
 元親の左目を無くした本当の理由、友和、父が何故今怒鳴っている理由。そして、それらの根元は━━



Uターンすっか?
こちらが嫌でしたら
目次に行け


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -