3*2
しばらく歩くと、ドアが幾つもある所に着いた。眺めは相変わらずコンクリートだが。
俺らは一つずつドアを開け、何もなかったら閉めた。ほとんどの部屋が何もなかったが、最後のドアは違っていた。
そこには一つの銅像があり、右手には銅像の大きさと同じくらいの武器を持っていた。おまけに変な格好……。でも少し着てみてぇ……。
「アンタに似てるな、元親」
「そうかぁ?俺、こんな格好してねぇぞ」
「格好はそうかもだが、ほら、左目を隠してるようにしてるじゃねーか」
顔のほうに目を向けると、顔のパーツはなかったが、政宗の言うとおり、顔の左目辺りには布で隠すようになっていた。今の俺も訳あってそんな感じになっていて、お袋が作ってくれた紫色の布で左目を隠すようにしている。
偶然………なのか?
俺は吸い込まれるように銅像が持っている武器に手を触れようと近くまでいく。
そして、触れた途端に俺の頭の中から何かが流れ込んできた。
《鬼ヶ島の鬼とはこの俺のことよ!》
《野郎共ぉー!出航するぜー!》
《なんでぇ、アンタにもそんな顔が出来んじゃねぇか》
《アンタに賭けてみたくなった、それだけだ》
なんだ?これは。………記憶?俺のじゃねぇ。じゃあ、誰の……
『俺のだぜ、その記憶は』
あぁ、あんたの………………ん?俺、誰と話してんだ?政宗……じゃねぇし、つか、声に出したか?
『俺がアンタの思ってることを分かって言っただけだ。あと、後ろに面向けって』
よく聞けば俺の後ろから声が聞こえたので振り向く。そして、俺は驚く。
俺によく似た、銅像と同じ格好をしたやつが宙に浮いていたことに。
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Uターンすっか?
こちらが嫌でしたら
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