3*1
俺と政宗は牢屋から脱走した。しかし、何かおかしかった。
あっさりと牢屋から抜け出すことが出来て、こんな道の広い(と言ってもコンクリートは変わりないが)誰一人見回りする感じがしなかった。
「俺らが抜け出したってーのに何にも起きねぇな」
「金持ちの家なのにな。警報機ぐらい付いてても不思議じゃないが……」
辺りを見回しながら行ってはみるもの、いくら歩いても同じ景色が目に映るだけだった。アイツは何のために俺らをここに閉じこめたんだ?何の目的で………
「あ゙ー!!」
「!?」
いきなり俺が声を発したせいで政宗が驚いてビクついた。
「ダメだ……」
「what?」
「俺の悪い頭で考えても何もワかんねぇ……」
「Ah?何言ってんだよ」
「黒髪の考えだ……俺らをここに落としたヤツなんだけどよ、何でこんな所に落としたのか、何のためにここに落としたのか分っかんねーんだよ……」
「クロカミ?……どんな容姿だ?」
俺が嘆いていると政宗が黒髪の容姿を聞いてきた。
俺は政宗に黒髪の容姿を伝えると、右手で顔を持ちながら考えた。
「髪が長くて黒髪…同じだ……」
「あ?」
「俺らをここに落とした奴と同じだと思う……」
「マジで!?」
「あぁ」
デジャヴ感が否めない会話だが、これには驚いた。まさか政宗とそのダチも黒髪に落とされたらしい。
何のために俺らは会ったのだろうか。
何のために黒髪は俺らを集めた?
………やっぱり頭の悪い俺じゃ何にも出てきやしなかった。
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Uターンすっか?
こちらが嫌でしたら
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