2*1
「んー………」
私が起きた場所は私がよく知る天井が見えるところでした。
確か私は門前で急に眠くなって、多分宵闇の………ではなく、多分海賊さんが支えてくださったのに…
「どうして私の部屋にいるのでしょうか……?」
ゆっくりと身体を起こして周りを見渡してみても、やはり私の部屋でした。海賊さんと元就さんはどこに行ったのでしょうか。
「姫御前、起きられましたか」
右を見ると、左手にティーセットを持つ御爺さんがいました。私は少し寝坊助さんになっていたのでボーッとただ御爺さんがこちらに来るのを見ていました。
すると、御爺さんはティーセットを横の机に置き、ティーカップにお茶を入れていきます。………この匂いは……
「アールグレイ…ですか?」
「よく分かりましたな。どうぞ」
アールグレイを手渡され、私はそれを飲みました。気持ちを落ち着かせ、アールグレイの波立てる様を見て少し考えました。
しかし、考えてもやはり答えは出ませんでした…
あのあと、寝てしまって何が起こったのでしょうか。
「御爺さん、私はどうやってこの家に帰って来たのですか?」
「2人の若者によって姫御前をここまで運ばれた、としか私は知らないです。何せ、黒髪さんが姫御前を抱えていたのをお見かけしただけだったので……」
「黒髪さんが?」
何故黒髪さんが私を?ますます疑問が残るだけでした……
黒髪さんは私が嫌いなはずなのに………何故?
そして、2人の若者というのはきっと海賊さんと元就さんのことだと思いますが………
「……………あの、御爺さん」
「はい、何ですか?」
「その…………えと…」
「確か、海賊さんと元就さん、でしたか?」
「え?」
御爺さんはニコッと微笑み、「ご心配なんですよね」と言われました。御爺さんには私の考えなど分かっているのですね。
私は少しおどけましたが、少し嬉しくなり笑い返しました。
「本名を言って頂ければ所在が分かるのですが………教えて頂いても構わないですか?」
「はい。長曾我部元親さんと毛利元就さんです」
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Uターンすっか?
こちらが嫌でしたら
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