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純情朝ごはん


純情朝ごはん

二人の食卓はいつも豪華。朝、昼、晩ととても素敵なメニューがテーブルを埋め尽くす。
今朝のメインははエッグベネディクトとフルーツサラダ。流石にイングリッシュマフィンは市販の物だが、オランデーズソーズは手作り。チーズのチョイスも、卵の火の通り加減も、ベーコンの厚みも全部彼の好み。フルーツサラダにはメロン、いちご、バナナと冷凍ブルーベリー。最近二人がハマりだしたちょっぴりお高いギリシャヨーグルトも添えよう。日本じゃフレッシュなブルーベリーは高すぎる上にそこまで美味しくない。どうしても冷凍のを重宝してしまうのは仕方がない。
今日の天気はとてもよく、心地のいい初夏の風が吹き始めていた。朝日の射す窓際の小さなテーブルでテーブルセッティングをしよう。テーブルクロスはいつも通り青と白の巨大なハマムタオルを使用。緑色のランチョンマットと木製のスプーン。少し錆びた銀食器。リチャード・ジノリのお皿にのったエッグベネディクト。脇にはオレンジとレーズンが入ったキャロットラペと山盛りのロケット。ガラスボウルに入ったきらきら光るフルーツサラダ。淹れたての熱々のコーヒーと一緒にどうぞ。お砂糖と牛乳はお好みで。

自分がこんなにも礼儀正しく律儀に振る舞うのも、こんなに立派な朝ごはんを作るようになったのも、全部ぜーんぶ彼のため。彼が笑顔で「ごちそうさま」を言うのが見たいだけ。
今日も喜んでくれるかな?ほら、噂をすれば寝ぼけた奴が起きて来た。

「おはよう、ごはんできてるよ」

今日もこのひと言で一日が始まる。
僕の愛しい朝ごはん。僕の純情朝ごはん。






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