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Time3




階段を上がると、結構人が集まっていた。


年齢層を見ても、まさにお年寄りからちびっ子まで!って感じ。

これだけ注目されるような発明品…。
一体どんなのなんだろう!




「さあさあ、お時間と勇気のある方はお立会い!これこそ、世紀の大発明!超次元物質転送マシン1号だ!!」



「あっ始まったみたいね。」



前におじさんが出て、身振り手振りで説明を開始した。
おじさんの後ろには何やら大きな機械が左右に二つ置かれている。





『ちょ、超次元物質転送マシン…?』




無駄に長く聞きなれない言葉に、頭にハテナを浮かべる。
どうやらそれは私だけではないようだ。
周りの人もまだよく分かっていないみたい。




「あいつ…またこんなの作って…」



「早い話がこっちに乗っかると…
こっちに転送されるって夢のような装置だあ!こいつを発明したのが頭脳明晰才色兼備の、この俺の一人娘ルッカだ!」




ん?ルッカ?

ルッカってクロノの幼馴染の…あ、あの子か!


おじさんの横に目をやると、帽子とスカウターみたいなものを着けた女の子がいた。



め、眼鏡っ娘や…!しかもめっちゃ可愛い…!美人!




するとその女の子がクロノに気付き、笑顔でこっちに向かってきた。



「クロノじゃない!待ってたわよ!だーれも、このテレポッドの転送に挑戦しないんだもの。こうなったら、あんたやってくれない?」




突然の申し出に、クロノは面倒くさそうな顔をした。



「えぇー…ルッカの発明品いっつも失敗してんじゃん。また俺が実験台かよー。」


「面白そう!やってみなよクロノ!」


『そうそう。私達ここで見ててあげるからさ!』


「左のポッドにのればいいのよ。」


「仕方ねーな。やってやるか!」




そう言ってクロノは言われた通り左側のポッドの上に乗った。




「スイッチオン!」


「エネルギー充填開始!」




おじさんの掛け声とルッカの合図で二人が機械を操作する。

機械音が鳴り、その瞬間クロノがパッと消えた。




『く、クロノが消えた!』



こ、これ…大丈夫だよね?
クロノちゃんとまた現れるよね…?



そんな不安を抱きながら見守っていると、右側のポッドに小さな光が集まり出した。


その光が集まり、次第に大きくなったと思ったらパッと左側で消えたはずのクロノが現れた。





「「「おおーッ!!グレイト!!」」」




その場にいた全員が驚きと感嘆の声を上げた。




「す、すごい…!」


『ほ、ほんと…。』



にしてもクロノが無事でほんとよかった…。
消えた時、もう元に戻らないんじゃないかと一瞬考えてしまい、怖かったのだ。





「ほ、本当にうまくいった!?めずらしい事も……コ、コホン!いやいや、ルッカの発明だから当然!すごいだろう!」




おい。
おいおっさん。

私今しっかりと聞いたぞコラ。

あれで失敗してたらどうなってたの…。




「どう、驚いた?何だったらもう一度やる?」



ルッカが自慢気にクロノに尋ねた。

成功して嬉しいんだろうな…可愛い。




「い、いやさすがにもういいよ俺は。」




少し疲れたようにクロノが遠慮した。
そりゃあんな機械の実験台にでもなったらね…。

勇気あるなクロノって。





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