3-2

Time3




…ようこそ、ノルシュティン・ベッケラーの実験小屋へ。今から世にも恐ろしいショウが始まる。



何から回る?って三人で話し合ってサーカスっぽいテントに行き着いたのはいいけど……




っぎゃああああああ!!!顔だけピエロおおおおお!!!



「きゃっ?!」


「お前の声にびっくりしたわ!!」



だってあれ見てみなよ!
ピエロの顔と手だけが空中に浮いて喋ったり動いたりしてんだよ?!


キモいわ!!



シルバーポイントカード!いくら払うかい?



しかもポイント取んのかーいっ☆



あんな奇妙な姿しといてちゃっかりポイントは取るんだ。



「いくら払う?」


「結構貯まってるし無難に40Pくらいでいいんじゃないか?」
 

『そうだね。じゃあはい、40P』



言われた通りシルバーポイントを渡すと顔だけピエロはゲームの説明をした。


分身のマネをしろ!左手あげ、右手あげ、笑い、ビックリの四種類の動作しかないからな。ヒュッ ……と音がなったらマネするんだ。準備はいいかい?



『え?これ誰か一人?』


「そうみたいだね。誰がやる?」


「俺は別に誰でもいいぜ」


『はいはいっ!じゃあ私がやる!』


勢いよく手を挙げて立候補する私。
やっぱ好奇心が旺盛な性格ってのはこういう時に血が騒ぐもんなんだね。



「じゃあ鈴乃で決まりね。頑張って!私が念力送っといてあげる!」


「頑張れよ鈴乃!」



後ろで見守る二人の声援を耳に、顔だけピエロに向かって頷いた。




《…ドッペル ゴー!》




顔だけピエロの合図によって、後ろの牢屋みたいな鉄の柵が鈍い音を立てて開いた。

い、一体何が……



って…




『あれ…誰だろこの美少女…やだ素敵…って
ひいぃぃぃ!!私じゃねーか!!




最初のくだりいらねーだろ


「で、でもほんと…瓜二つすぎてちょっと怖いね…」




さ、さすがドッペルゲンガー…。
あれ、ドッペルゲンガーって会ったら私死ぬんじゃなかったか。ちょ、まだ死にたくない。



私のそっくりさんが私の目の前に立ち、ヒュッ…という音と共に右手を上げた。



『うぉぉっとと…そうだそうだ…ホイ!』



突然のドッペルゲンガー登場に驚き、ついこのゲームの主旨を忘れていた。危ない危ない。

慌てて私も同じように右手を上げた。


ヒュッ…今度は左手だ。


ヒュッ…今度は笑顔。


ヒュッ…今度は驚き。



なぁんだ意外と簡単じゃん。



そう油断したのがいけなかった。



ヒュッ…


『はいはい、今度は右手ねー……って

「「あ」」








「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -