2-8
Time2
『リーネの鐘ってこれだよね?』
「あぁ。」
『早く鳴らないかなー。』
ウキウキ。
幸せカモーン♪
〜10秒後〜
『あーもうっ!全っ然鳴らないじゃん!不良品なんじゃないの?』
「待つの短けぇ!しかも鐘に不良品て…。」
『仕方ない…。私も暇じゃないもんでね。』
「暇だろ。」
クロノのツッコミは無視して。
私は近くに落ちていた石を拾い上げた。
「お、おいまさか…」
『うりゃっ!!』
「投げた━(゚Д゚;)━ッ!!」
ビュンッ
カーンッ
よっしゃ命中☆
その振動により、リーネの鐘がゆらゆらと揺れ動く。
リンゴーン…
リンゴーン…
辺りに綺麗な鐘の音色が響き渡る。
『素敵…』
「鳴らす方法がそれじゃなかったらな。そうまでして聞きたいか?」
クロノが半分呆れ顔で尋ねる。
『そりゃあ女の子だもん。人それぞれだけど、そういうジンクスは信じたくなるものだよ。少なくとも私はね。』
「"女の子"ならあんなこと絶対しねぇだろ…。」
『あーそれにしても綺麗だった。ふふふ…これで幸せは私の手に…』
私がうっとり(?)して目をつぶりながらくるくる回っていると、
「危ないっ!」
「キャッ!!」
『わぁっ!!』
周りをよく見ていなかったため、私は知らない人とぶつかって転んでしまった。
クロノの次に出会ったこの少女。
彼女との出会いも、これからの私の運命に大きく携わっていくのだった。