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Time2
「はぁ…疲れた。」
『え?そう?私は全然疲れてないよ。』
そう言って笑顔で答える鈴乃。
「お前はな」
そりゃさっきから楽しんでばっかりなんだから疲れてないのは当たり前だ。
それをこれ以上いかないように抑えて誘導するのにどれだけ体力がいるか。
まぁそうは言っても俺自身も楽しんでるんだけどな。
ついつい鈴乃のペースに乗せられてしまう。
「つーか俺腹減った。」
『確かに。……お?』
そう言って、ある一点を見つめる鈴乃。
そこには、まるで用意されたかのように弁当包みが置いてあった。
『グッドタイミーング!』
そう言うと同時に包みを開けはじめた鈴乃。
早いな。
しかし、途中でその手が止まる。
「?どうしたんだよ。」
『…いや、今当たり前のようにお弁当食べようとしたけどさ。よく考えたらこれって絶対持ち主いるよね?』
あ、一応は考えてんだ。
「別にいいんじゃないか?だって弁当だぞ?そんな大荷物じゃあるまいし、普通なら持ち歩くだろ。」
『でも…』
「大丈夫大丈夫!どうせご自由にお取り下さい的なあれだって。」
『そっか。そうだよね。ご自由にお取り下さい的なあれか。まったく…おぬしも悪よのぉ。てわけで食べちゃおう。』
パカッ
『うわぁ!美味しそう!』
弁当の中身を見ながら、目を輝かせる鈴乃。
さっきの笑顔とか、こういう表情をする鈴乃は正直とても可愛いと思う。
『かぁーっ美味い!腹が減っては戦はできぬ!ってね。あはは。』
というセリフや先程の歌、踊りを除けばの話だが。
『クロノ食べないの?あ、もしかして私のあーん待ち?やったげようか?』
「結構です。」
『そんな照れなくても。あぁそうか。クロノにはルッカがいるもんね…。私が惑わさせちゃダメじゃん。』
何かぶつぶつ言ってるけどまぁいいか。
俺は、中に入っているおかずを食べた。