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Time2
「あのさ、俺見るものがあるんだ。だから他のはその後でもいいか?」
『うん、全然構わないよ。何を見るの?』
「俺の幼馴染のルッカって奴が発明品を見せるらしいんだ。」
発明品?!
しかもこんな大きなお祭りで公開するくらいだ。
さぞかし凄い物なんだろうなぁ…。
そんな私を見てか、クロノが遠慮がちに声をかけた。
「先に言っとくけど、あんま期待しない方がいいぜ?」
『え、何で?』
「あいついっつも失敗するんだ。ま、今日くらいは成功してくれねぇとな。」
そう言うクロノの目は、呆れながらも思いやるような、とても優しい目に見えた。
…お?
これはつまり恋ってヤツですか?
なるほど、幼なじみとの恋…。
『いいねぇ。近すぎて、伝えられないこの気持ち…。かぁーーっ!!』
「…おい。何か勘違いしてないか?」
『クロノ!今会ったばっかりだけど、私応援するよ☆』
そう言ってクロノに向けてグッと親指を立てる鈴乃。
今彼女に何を言っても聞かない気がして、クロノは一人小さくため息をつくのだった。