さぁ剣を。


レック「ほら、剣持てよ。」


アルス「言われなくても持つよ。」


レック「じゃあ本気で行くぜ?」


アルス「当たり前!」


レック「はぁっ!!!」


アルス「たあっ!!!」






『…。』




何でこんなことに…。




さかのぼること30分。



***




私は外で本を読んでいた。





アルス「愛花ー。」




その声に本から顔を上げると、何やらニコニコと可愛らしい笑顔をこちらに向けるアルスがいた。




『どうしたの?』




そう聞くと、アルスは後ろ手に持っていた物を私に差し出した。




『わぁ…!綺麗なお花!どうしたの?これ。』


アルス「さっきそこで摘んできたんだ。愛花、絶対喜ぶだろうなって思って。」




えへへっと笑うアルスは凄く癒される。
こう、ほわほわーっていう感じの空気が流れるみたいなね。



すると何を思ったのか、アルスが私の髪へと手を伸ばした。




『?アルス?』




アルスの手が少し耳に触れた。ちょっとドキッとなんかなったりして。




アルス「よしOK。」



そう言って離れたアルスの手には先程まであった花が無くなっていた。



アルス「うん、やっぱり。すっごく可愛いよ!」



どうやら私の頭に花をつけてくれたらしい。

そしてそんなふうに笑顔全開で可愛いなんて言われたら照れるというかなんというか!




『もう!アルスの方が可愛いよっ!』


アルス「うわっ」



そう言ってアルスに抱き着く。

急に抱き着かれてわたわたしているアルスが余計に可愛く思えてもっとぎゅっとしようとした時、



レック「はいストップー。アルス、そろそろお兄ちゃんに代わりなさい。」



頭上からレックの声が聞こえたと思ったら、いつの間にか後ろから抱きしめられていた。


ていうかお兄ちゃんて。



アルス「もうレック!邪魔しないでよ!」


『そうだよレックー。今アルスを愛でてる途中だったんだから。』


レック「何…っ!?愛花はお兄ちゃん派じゃなくて弟派だったのか…!?」


いやそういうことじゃなくてね?


アルス「もう!いいからレック早く離れて!」


レック「お?何だ何だ?嫉妬か?」




その言葉にアルスの顔が赤くなる。



アルス「ちちち違うよ!」


『ほらレック、妬いてるっぽいからそろそろアルスもぎゅってしたげて。』


アルス・レック「は?」


『は?』



アルス「いや僕別にレックにぎゅってされたい訳じゃないよ?むしろ嫌。


レック「うわ地味にショック」


アルス「ていうか!いつまで愛花に抱き着いてるの!」


レック「んー…一生?」


何バカなこと言ってるの


レック「さっきから俺の扱い酷いと思う




うん、いいから離れてくれ。

そろそろ暑いぞ。




レック「そんなに愛花抱擁権が欲しいなら、勇者らしく剣勝負で決めるか?」

『は?』


アルス「愛花抱擁権…?」


『何その権利。本人全然知らないよその権利。』


レック「名前の通りだよ。愛花を誰にも邪魔させずぎゅっとできる権利。どうする?やらないのか?」


『だから何なのその権利』


アルス「やるに決まってるじゃん!」


『Σえぇ!?』





***





というわけなのだ。





ていうかいい加減止めたらいいのに。


二人とも息切れしてるじゃん。




『二人ともーそろそろ止めようよー…。』



アルス・レック「まだまだ!」


『…』




一体その権利に何の魅力があるというのやら。


そんな必死になっちゃってさ。


アルス、結構負けてない。
やっぱ上達してるんだなぁ…。



あぁ見ると、兄弟みたいだよね。




一向に終わりそうにない二人の剣勝負を見てそう思いながら、私はまた本に目を落とした。





END








あとがき

こりゃ酷い。
酷すぎるぜ管理人。

うpがかなりじゃ表せない程遅れたくせしてこの文章。

スランプにも程がある。

本っ当に申し訳ありませんでした梨奈様。

こんなのでよければ(いいはずもないが)受けとって下されば光栄です!

この度はキリリクありがとうございました!

このお話は梨奈様のみお持ち帰りOKです。


 

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