もしも勇者A
本日のメンバー
・ナイン
・レック
・アルス
レック「はいっじゃあ今回のお題はこちらー!」
アルス「“もしも勇者”?」
ナイン「もしも僕たちが勇者じゃなかったら、っていうのを話し合うそうですよ。」
レック「勇者じゃなかったら、か…。考えたこともなかったな。」
アルス「僕は皆みたいに、いかにも勇者!って感じじゃないからなぁ…」
ナイン「アルスは何かやりたいこととかあるんですか?」
アルス「うーん…。やりたいことっていうか今まで家でずっとのんびり暮らして来たから、もしこんな風に勇者じゃなかったら多分父さんの跡を継いで漁師かなぁ」
レック「へぇー何か意外だな。お前広い世界を見たいってずっと言ってたからてっきり旅人かと思った。」
アルス「それも捨てがたいけどね。だけど漁師だって広い海へ出て、僕の知らない世界へと繋がる場所へ行くんだ。それもきっとワクワクするよ!」
ナイン「ふふっ、こんな息子さんを持ってアルスのお父様は幸せ者ですね。」
レック「俺だったらやっぱターニアとのんびり暮らしたいかなぁ。」
ナイン「出ましたよシスコンが。」
レック「否定はしない!」
アルス「せめて否定はしようよ。でもレックみたいなお兄ちゃんがいたらきっと楽しいだろうなぁ」
レック「おっ、じゃあ一緒に住むか?アルスが海へ洗濯に行き、俺が山へ芝刈りに…」
ナイン「何で昔話になってるんです?」
アルス「僕は洗濯をしに広い海へと旅…立つ…」
ナイン「ちょっとアルスしっかりして下さいよ。どんだけスケールのでかい洗濯ですか。」
レック「うーん、こんくらい?」
ナイン「あなたは黙っててもらえますか、レック。」
レック「そしてナインが俺たち三人のことを側で見守る!めでたし!」
ナイン「全然めでたくないです。そして僕を守護霊みたいに言うのやめて下さい。」
アルス「え…違うの?」
ナイン「守護天使です。いい加減にして下さいよもう。」
レック「まぁまぁ。で、ナインは何かしたいことあんのか?」
ナイン「上手く誤魔化しましたね。…そうですね、人間にはもうなってますし…。やっぱり僕は天使として皆さんをお守りしたいです。」
レック「なんだ、やっぱ守護霊じゃん。」
ナイン「…。」
レック「ナンデモナイヨ。」
アルス「でもさすが真面目なナインだけあるね!もう一度天使として、だなんて。」
ナイン「いえ…それが僕の定めですから。それに天使としてやらなければならないこともたくさん残っていますしね。」
レック「なんだかんだいってさ、俺たち結局は勇者じゃなくても俺たち、なんだよな。」
アルス「どういうこと?」
レック「アルスは漁師として海へ出て、ナインは天使として見守る。そして俺もターニアとのんびり暮らす…。」
ナイン「なるほど、結局僕たちは元の生活を選んでいるというわけですね。」
アルス「あー確かに!そっか…勇者じゃなくても僕たちは僕たち、か。」
レック「そういうこと。これ確実に名言ランキング入り間違いなしだな。」
ナイン「せっかく上手く結論が出たというのに余計な一言を…」
アルス「ふふっ。レックもやっぱりレックだね!」
END[
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