第13章
第13章
ククール「よぅミキ。オレがいない間、寂しくなかったか?」
ククールさんが、私に話しかけてきた。
確か初めて会った時もこんな感じじゃなかったっけ?
私が答えるより早く、エイトが先に答えた。
エイト「僕がいるんだから寂しいわけないでしょ?第一今まで旅してきて、ククールの話題なんて一つも出なかったよ。」
ククール「お前それでも仲間か。」
レック「つーかおい。そのククールとかいう奴にも色々言いたいけど、エイト。」
いつもよりやや低めのレックの声に、エイトは面倒臭さそうに振り返った。
エイト「何?」
レック「何だよさっきの言葉。“僕がいるんだから寂しいわけない"?」
ソロ「最初に出会ったからっていい気になんなよ。」
リュカ「はいストップ。本当は僕も参戦したいけど、本来の目的に戻ろう。」
皆、口喧嘩が相当好きなんだね。
毎日と言っていい程やってるよ。
さっき団結したんじゃなかったっけ?
ヤンガス「こんな風に他にも兄貴を慕う部下達が、100人も200人もいるんでげしょうなぁ…」
ナイン「今までの会話を聞いて、なぜそのセリフが出てくるんですか。」
アルス「しかも部下じゃないのに。」
トロデ「ところでおぬし、ミキと言ったな。」
すると突然私の名前が呼ばれた。
『はい。』
トロデ「聞けば光の神という存在らしいの。見たところわしの娘、ミーティアと歳もそう変わらぬ。」
えっと…。
つまり何が言いたいんだろう?
トロデ「えらい!」
Σうわ!
びっくりした。
トロデ「その歳にして、光の神として世界を平和にするために旅を続ける…。実に偉い!」
『え、えっと…有難うございます。』
ゼシカ「ほらトロデ王、もう分かったから。全員揃ったことだし、遺跡に入りましょう。」
う。
そ、そっか。
入らなきゃ…。
私が思わず力むと、ポンッと背中を叩かれた。
見ると、リュカが優しく微笑んでくれている。
まるで大丈夫だよ、というように。
敢えて声には出してはいなかったが、私には分かった。
皆も無言で頷いている。
さっきのふざけた感じは全く見られない。
思ったんだけど、皆切り替え早くない?
おっと。
今はふざけるとこじゃないよね。
“闇の遺跡"という名前にピッタリな、闇で覆われた入り口に私達は足を踏み入れた――…。