第11章
第11章
バンッ!!
レック「ターニアッ!!!」
レックがドアを思いっ切り開けると、中には魔物ともう一人のレックが苦戦しながら戦っていた。
傍には夢に出てきた青い髪の少女が怯えて立っている。
ターニア「えっ!?レック兄ちゃん!?ど、どういうこと!?」
驚くのも無理はないだろう。
だが今はそんなことを説明している場合ではない。
目の前では気弱なレックが必死になって攻撃を食い止めているのだ。
レック「くっ…!だ、駄目だ…!多分キミ達でも勝てるかどうか…!」
レック「そんなのやってみなくちゃ分かんないだろ。」
魔物「何をほざいている。半人前の貴様ごときにこの私がやられる訳なかろう!こいつが殺されるのを見ておくんだな。どのみちこいつがやられれば貴様も消える。」
レント「だったら消えなかったらいいんだろ?てめぇなんて一発で倒してやるよ。」
魔物「大人しく見物しとけばいいものを…。ならば貴様らを先に殺すまで!」
魔物「はあぁっ!!!!」
キィンッ――――
部屋に、剣のぶつかる音が鳴り響く。
エイト「バギ!!!」
ヒュウゥッ!!!!
魔物「うがぁっ!!」
ローレ「うらあぁあっ!!!」
ザシュッ!!!!
魔物「ぐっ…ば、馬鹿な…。」
皆が戦っている間、ターニアとレックが話していた。
ターニア「…一体、どうなっているの?どうしてレック兄ちゃんが二人いるの?」
レック「ターニア…。ボクは記憶を取り戻したんだ。」
ターニア「えっ!?本当!?」
レック「あぁ。ボクはムドーと一度戦ったんだ。」
ターニア「ムドーと…?よく意味が分からないわ…。」
レック「時間がない…。ターニア、短い間だったけど可愛い妹ができて嬉しかったよ。」
ターニア「…え?」
レック「レック。キミはとっても強いんだね。ボクと一つになれば、もっと強くなる…。最後に一つだけ聞く。」
気弱な方のレックが、もう一人の自分に言った。
レック「例えボクが消えても、ターニアを見守り続けてくれると約束してくれるかい?」
レック「…あぁ、もちろんだ。約束する。」
レック「そうか。これでボクも安心してキミと一つになれるよ…。」
そう言って、二人がまばゆい光に包まれた。
魔物「な、何…っ!?」
やがて光が消え、そこにいたのは、本来の体に戻ったレックだった。
レック「これで終わりだ。」
レックが魔物に向かって手をかかげ、
レック「ライデイン!!!」
ピシャアァーーン!!!
魔物「ぐわあぁあぁあぁ!!!!!」
鋭い稲妻が走ったかと思ったら、それが魔物に当たり、魔物は力尽きた。