第11章
第11章
でも私も何かあげたいな。
それにまた違う世界に行く訳だし、すぐにここへ戻って来ることはできなくなるかもしれない。
だとしたらリッカちゃんとも当分の間お別れ、ってことだよね…。
『あっ!そうだ!』
リッカ「?」
私は今自分のつけているリボンがワンポイントのヘアピンを外し、リッカちゃんに渡した。
『これ…。私がつけてた物で申し訳ないんだけど、リッカちゃんにあげる。』
リッカちゃんは一瞬びっくりしたように私を見たが、すぐに嬉しそうな顔をしてバンダナに重ねて髪につけた。
リッカ「ミキちゃん、ありがとう。私も大事にする!それに今来てる服にも合っててとっても気に入ったよ。」
確かに胸の所にあるリボンとヘアピンのリボンがマッチしている。
リッカ「ミキちゃん、名残惜しいけどそろそろ行かないと皆が待ってるよ?」
『うん…。じゃあ、行ってきます!また必ず戻ってくるから、お仕事頑張ってね!』
リッカ「ミキちゃんも旅、頑張って!いってらっしゃい!」
私はリッカちゃんに手を振り、皆の所へ戻った。
***
『ごめんね、待たせちゃって。じゃあ行こっか。』
リュカ「いいんだよ。それよりリッカちゃんとは話せた?」
『うん。このペンダントまで貰っちゃったよ。』
ナイン「昨日やたら錬金やレシピのことを聞いてきたのはこのためでしたか。」
『ほらナイン、行こう?』
ナイン「はい。ラヴィエル、旅の扉を開いてもらえますか?」
ラヴィエル「あぁ。その子の夢だと………場所はおそらくライフコッドだな。」
ラヴィエルさんがそう呟きながら手をかざすと、私達の前にこの間と同じ、光り輝く大きな扉が現れた。
この扉の向こうに新しい世界が…。
旅の扉は光を放ちながらゆっくり開き、私達はその中へと一歩、踏み出した。
ラヴィエル「…翼を持たずして天使でもない少女が私の姿を見ることができる…。そうか、あの子がそうなのか…。」